2012 Fiscal Year Annual Research Report
運動に関わる複合的な要因を用いたトレーニングが体温調節機能の改善に及ぼす影響
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12J04185
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
天野 達郎 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 発汗反応 / 皮膚血流反応 / 体温調節 / 筋機械受容器活動 / 筋代謝受容器活動 / 下肢圧迫 / 暑熱順化 / 熱中症 |
Research Abstract |
本年度は有酸素運動トレーニングが温熱性および非温熱性要因による熱放散反応に及ぼす影響検討した.過去3年間授業以外の運動経験がない健康な若年男性10名が環境温32℃および相対湿度50%の環境下で7日間の自転車運動トレーニング(最大酸素摂取量の50%強度,30分間×2セット)を行い,その前後で温熱性熱放散反応(43℃の湯に膝から下を浸水ずる下肢温浴)および非温熱性熱放散反応(静的掌握運動,運動後阻血および下肢スドレジチ)を測定した.なお,計画の段階では受動的自転車運動で筋機械受容器を刺激する予定であったが,その方法では生体反応が大きく起こらなかったことから下肢ストレッチによる刺激法に変更した.下肢ストレッチは循環調節分野で十分確立された筋機械受容器刺激法であり(Gladwell and Coote J Physiol 2002, Fisher et al. Exp Physiol 2005),熱放散反応への応用も可能だと判断した.方法の妥当性は国内外の学会で発表を行い,さらに海外の研究者と議論した(神戸大学,学術weeks).これらによって下肢ストレッチを含む非温熱性熱放散反応測定法の妥当性が確認できたため現在アメリカの生理学雑誌に論文を投稿準備中である.現在残りのデータ解析を進めており,各要因による熱放散反応が運動トレーニングによって改善されるかどうかを検討中である. 非温熱性熱放散反応の評価法はこれまで十分確立されていなかった.本年度はそのうち筋代謝受容器と筋機械受容器の統合的入力の評価法を初めて確立したため重要な結果が得られたと考えられる.また,それらの運動トレーニング効果もこれまで検討されていないことから,温熱性熱放散反応も含めてそれらが改善されるかどうかの実験を全て終了できたことは今後の重要な知見につながることから有意義であった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予定していた日程で方法の妥当性を検討して実験を終了することができたため.本研究は非常に多くの実験を実施することから,限られた日程で全ての実験を終了することが重要である.
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Strategy for Future Research Activity |
今後はデータ解析を進め,運動に関わる要因を利用した運動トレーニングが従来行われているトレーニングより熱放散反応をより大きく改善するかどうかを検討する.もし仮説通りの結果が得られなければ,その原因を探る追加実験を行う(例えば,運動時の熱放散反応をより増大させるような方策の検討).
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Research Products
(3 results)