2013 Fiscal Year Annual Research Report
自己運動に伴う触覚呈示による体性感覚拡張に関する研究
Project/Area Number |
12J04331
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
蜂須 拓 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 自己運動 / 触覚 / 聴覚 / 減衰制限振動 / Augented Reality / 感覚変調 |
Research Abstract |
本研究の目的は触覚による運動感覚の増強, 錯誤および制御の実現である. 本年度は負圧を用いた引力覚呈示装置の開発を行った. タッチスクリーンの普及により入力と出力が単一の界面から行えるようになった. こうした中でタップやドラッグなどの入力運動に対する触覚フィードバックに関する研究が盛んに行われている. こうした中で引力呈示を行うものがないことに着目した. タッチスクリーン上で引力呈示が可能になれば, 例えばドラッグ中に引力呈示することで摩擦を増加させ指を止めることができる. 本研究では負圧を用いることでタッチスクリーン上に引力を呈示するシステムを実現した. エアポンプ, バルブアレイおよびタッチスクリーンからシステムを構成した. これまでにも引力呈示を行う手法として磁力や静電気力を利用するものが提案されているが, 前者はユーザに磁石を装着させる必要があり, 後者は引力呈示というよりも微細な皮膚感覚を呈示するものであった. 一方で本システムは装着の必要がなく, ドラッグ中の指を強制的に止めるほどの引力を呈示可能である. 本システムがインタフェースとして, 従来のフィードバック手法(振動, 視覚的フィードバック)と比較してどれほど使いやすいかをダイヤルGUIを用いて評価した. 評価結果は引力呈示によってダイヤルの終端を見つけるというタスクが短時間かつ精度良くなることを示した. 特にダイヤルの長さが長くなるとその効果は有意となった. これは, ユーザが「引力がダイヤルの終端に来たら強制的にドラッグを止めてくれる」といった引力に対する信頼感に起因すると考えられる. 物理ダイヤルは終端にくると機械的な引っかかりによってユーザの指を止める. 本システムではこの要素を再現できたため, ユーザが信頼して高速かつ高精度にドラッグができたと考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は触覚呈示により運動様式を変化させるといった本研究が最終目標にかかげる体性感覚の拡張手法を新たに実装し実現した. 一方で昨年まで行ってきた研究プロジェクトに関しても国際論文誌の掲載や国際学会での発表といったように成果を形に残すことができた. 旧プロジェクトの進捗に加えて新プロジェクトの達成度から当初の計画以上の進展をしていると評価できる.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は今年度取り組んだ負圧を用いた引力感覚呈示装置に関する評価をまとめる. さらに最終年ということで, これまでの研究の総まとめを行う. その中で必要とされる追加実験を行っていく予定である.
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Research Products
(13 results)