2013 Fiscal Year Annual Research Report
Belle実験におけるB中間子のレプトン稀崩壊事象の研究
Project/Area Number |
12J04409
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 恵里子 東北大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DCl)
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Keywords | belle実験 / 稀崩壊 |
Research Abstract |
当初、Belle実験におけるB中間子のレプトン稀崩壊事象の研究を行い、荷電ヒッグスを含む新物理探索を行う予定であったが、緻密な分析の結果、当初行う予定であった解析手法では、感度を十分得ることができないことが判明した。このため、同じく荷電ヒッグスを含む新物理に感度が高い、電弱ペンギン稀崩壊事象を解析することになった。具体的にはB中間子が、sクォーク、プラスの荷電を持つレプトン1つ、マイナスの荷電を持つレプトン1つを含む崩壊事象を解析し、その事象の崩壊分岐比、および崩壊分岐比のレプトン対不変質量依存性を測定した。 本解析は、B中間子がsクォークとレプトン対に崩壊する、全ての終状態の崩壊事象を拾いたいため、様々な崩壊モードを信号として解析しなければならない。一部の崩壊モードを信号として取り扱わないと、系統誤差が大きくなってしまう。またあまりにも背景事象の多い崩壊モードを含めてしまうと統計誤差が大きくなってしまう。このため、統計誤差と系統誤差を両方抑えなければならない。私は、モンテカルロシミュレーションにより以前のK、Kπ、K2π、K3π、K4πの崩壊モードに加え、K5π、Kη、3Kに崩壊する崩壊モードも信号として採用し、合計22終状態に関して再構成を行い、その信号再構成効率と純度を計算した。そして、信号の事象でも間違って、再構成する確率も求めた。また、ニューラルネットワークを用いて信号事象と背景事象を分離し、信号事象の信号有意性の最適化を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の解析のテーマから外れたため、古いテーマの妥当性を見極め、新しいテーマを見つけ、始めるのに時間が掛かった。今は、信号事象と背景事象の分離し、信号事象の信号有意性の最適化まで行い、遅れを取り戻しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、さらなる背景事象の理解、モンテカルロシミュレーションによるフィットを用いた崩壊分岐比の測定、系統誤差の評価を行っていく予定である。
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[Journal Article] Origami chip-on-sensor design : Progress and new developments2013
Author(s)
C. Irmler, T. Bergauer, A. Frank enberger, M. Friedl, I. Gfall, A. Ishikawa, R. Kameswara, E. Kato, G. Mohanty, K. Negishi, Y. Onuki, N. Shimizu, T. Tsuboyama, M. Valentan
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Journal Title
Journal of Instrumentation
Volume: 8
DOI
Peer Reviewed
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