2012 Fiscal Year Annual Research Report
Naチャネルの構造解析による致死性不整脈の病態解明
Project/Area Number |
12J04451
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山形 研一郎 東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Naチャネル / 結晶構造解析 / 不整脈 |
Research Abstract |
原核生物のNaチャネルのX線構造解析に耐えうる良質なタンパク質結晶を得た上で、大型放射光施設においてX線結晶構造解析実験を行うことを当初の目的とした。第一歩としてdisopredにより原核生物のNaチャネルから可動性を持つC末端やN末端を予測し、重要と思われる残基を残しながら不要な部位を除いたconstructionを遺伝子操作により得た。目的とするNaチャネルを組み込んだプラスミドを大腸菌に転換し発現を確認するため、大腸菌の培養温度、タンパク質が発現するタイミングの条件検討を5mlのsmall scaleにて行ったところ、SDS-PAGEにて発現が確認された。続いてNaチャネルの安定性する条件を得るため、可溶液の種類および濃度検討をF-SEC (fluorescence size-exclusion chromatography)により確認したところ、安定して得られる条件が得られたため、10Lでの大量培養を行った。得られた大腸菌を破砕の上可溶化し、Niカラム、サイズ排除カラムを使用し精製を行った。遠心濃縮を行い、金属イオン、Buffer、沈殿剤を加えて結晶化を行ったところ5日後に10umの結晶が得られた。しかしこの結晶は微小であり時間をおいても大きさが成長することなくX線構造解析に耐えうるとは考えにくかった。そこで良好な結晶を得るために金属イオンの濃度、種類の変更、緩衝液のpHの条件検討を10,000通り以上行ったが、現状では良好な結晶は得られていない。 一年目の成果としてNaチャネルの結晶が得られていることは、分子量が大きく、可溶化した膜タンパク質は一般に結晶を得ることすら困難であることを考慮すると、X線構造解析のステップとしては重要と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現状までにNaチャネルの結晶を使ったX線実験に到達していないのは可動性領域の予測、及び発現条件の検討に時間がかかったことが原因と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
良好な結晶を得るために可溶液の沈殿剤濃度、金属イオン、Bufferの種類、タンパク質濃度を変えながら結晶化条件の検討を行いつつ、LCP (Lipidic Cubic Phase)法が近年は膜タンパク質の結晶構造解析に有用であることが提唱されているので同法を施行する予定である。
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