2014 Fiscal Year Annual Research Report
地球および地球外天体内部における炭素の挙動に関する研究
Project/Area Number |
12J06194
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 豪 東北大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 地球核 / 炭素 / 鉄炭化物 / 高温高圧実験 / その場X線回折実験 / 非弾性X線散乱 |
Outline of Annual Research Achievements |
地球中心部には主に鉄で構成される液体の外核と固体の内核が存在する。しかし地震波観測により求められた地球核の密度は、実験的に求められた鉄の値に比べて小さいことが報告されている。また地球核中の地震波の伝搬速度(弾性波速度)が鉄よりも遅い値を示すことが、近年の実験報告により明らかになりつつある。このことは地球核には主要構成成分である鉄の他に密度を軽くするような軽元素が含まれていることを意味し、さらに含まれる軽元素は鉄の弾性波速度を遅くする効果を持つことが必要である。軽元素の候補には水素、酸素、炭素、ケイ素、硫黄などが考えられているが、本研究では炭素に注目した。特に鉄炭化物のFe3Cに注目し地球核中での炭素の存在形態の制約をすることを目的に高温高圧実験を行った。実験は兵庫県の放射光実験施設SPring-8で、高温高圧その場X線回折実験による相平衡・融解実験および密度測定、非弾性X線散乱法による弾性波速度測定を行った。試料をダイヤモンドアンビルセルで加圧し、Fiberレーザーで加熱することによって地球内部の高温高圧環境を再現した。 相平衡・融解実験から、Fe3Cは内核の圧力条件まで安定に存在できることを明らかにした。またFe3Cの高温高圧下における圧縮挙動を取得した結果、内核の温度条件を5000 Kと仮定すると、内核はFe3Cの密度で説明できることが明らかになった。しかし弾性波速度測定によるとFe3Cの縦波速度VPは内核のVPに比べ、約12%速いという結果を得た。内核が5000 Kと仮定すると、融点近傍で弾性波速度が急激に減少するPremelting effectや部分融解などを考慮すると内核の密度や弾性波速度をFe3C単相で説明できる可能性がある。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)