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2012 Fiscal Year Annual Research Report

強誘電性有機膜の超薄膜化への挑戦

Research Project

Project/Area Number 12J06776
Research InstitutionTokyo Institute of Technology

Principal Investigator

馬渕 雄一郎  東京工業大学, 大学院・理工学研究科(工学系), 特別研究員(DC1)

Keywords強誘電体 / 界面 / 薄膜
Research Abstract

これまでの我々の研究で50nm以下の有機強誘電体VDF/TrFEの超薄膜においては、残留分極値の低下、抗電界、リーク電流の増大などの特性劣化が起こることがわかっている。原因として界面層の存在が示唆されているが、その詳細については明らかになっていない。そこで本研究ではその起源を明らかにし、強誘電体の界面物性を究明する事を目的としている。
以下に研究の実施状況を述べる。
まず、VDF/TrFEの超薄膜を白金、金、銀など仕事関数の異なる基板上に成膜し、よく知られている無機強誘電体BaTiO_3超薄膜で観測される薄膜効果と比較を行った。その結果、無機強誘電体における薄膜効果は仕事関数依存性が観測されるのに対し、VDF/TrFEの薄膜効果は仕事関数依存性が無いことが明らかになった。この結果より、VDF/TrFEの薄膜効果は電極の仕事関数に依存するショットキー接合では無いことが示唆された。これらの成果は、学会The 8^<th>Asian Meething on Ferrroelectricsで発表することができた。
また、超薄膜を作製する際に下部基板表面のラフネスが障害になることがわかっているので、一般的に用いられる金属基板よりも平坦であるNb-Dope SrTiO_3基板及び、Nb-Dope TiO_2基板を用いて超薄膜作製を行った。その結果、SrTiO_3表面に存在する、酸素欠陥、金属欠陥に起因するI-Vヒステリシスが観測される事が明らかになった。一方でTiO2基板においてはこのような現象は観測されない。そこで現在I-Vヒステリシスの基板依存性についても研究を進めており、第一原理計算等を用いた解析を進めている段階である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

各種金属基板上に成膜する際の条件出しに手間取った。しかしながら、その過程でSrTiO3基板界面に起因したI-Vヒステリシスが観測されるという、物理的に非常に興味深い現象を見つけることができた。この現象の解析を行うための第一原理計算スキルも習得済みであるため、研究を進める上で大きな問題はないと考えている。

Strategy for Future Research Activity

VDF/TrFEにおいては界面の電気特性だけでなく、分子構造の詳細も知られていない。そこで、VDF/TrFE薄膜の詳細な構造解析を行うため、有機膜の構造を調べるのに適した解析方法である、分光エリプソメトリーを用いて界面構造を評価する。また、本年度は第一原理計算ソフトウェアVASP及びCASTEPのスキルを習得することができたので、新たなエリプソメーターのデータ、計算によるシミュレーション、及びこれまで蓄積した電気特性のデータを合わせてVDF/TrFE界面物性の研究を進めていく予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Investigation on Ferroelectricity in Vinylidene Muoride/Trifluoroethylen Copolymer Ultrathin Films2012

    • Author(s)
      馬渕雄一郎
    • Organizer
      The 8^<th> Asian Meething on Ferrroelectrics (AMF-8)
    • Place of Presentation
      タイ パタヤ
    • Year and Date
      2012-12-13

URL: 

Published: 2014-07-16  

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