2012 Fiscal Year Annual Research Report
休日の回復体験に注目した新しいストレスマネジメント科学の構築
Project/Area Number |
12J07469
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
堀内 聡 北海道医療大学, 心理科学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | リカバリー経験 / 余暇活動 / ワークストレス / 生活の質 / ストレスマネジメント |
Research Abstract |
本年度は効果的なストレスマネジメント行動とストレス反応(抑うつ症状)との関連性を検討した。 対象者は、小学校教師および小学生の保護者418名(36.4±7.43歳)であった。研究協力者を通じて、調査用紙を配布し回収を行った。調査内容は、年齢、性別、教育歴、収入、婚姻状況、子供の有無、および効果的なストレスマネジメント行動の実施の有無、効果的なストレスマネジメント行動の内容、抑うつ症状(Center for Epidemiologic Studies Depression Scale:CES-D)であった。統計解析は、年齢、性別、教育歴、収入、婚姻状況、子供の有無、および効果的なストレスマネジメント行動の実施の有無を予測変数、CES-Dの得点を被予測変数とする重回帰分析を行った。 重回帰分析の結果、(1)効果的なストレスマネジメント行動を実施している人は168名(40.2%)である、(2)その主な内容は身体活動(61.3%)および他者との会話・交流(19.0%)である、(3)効果的なストレスマネジメント行動を実施している人は、実施していない人と比較して、CES-Dの得点の得点が低い(15.9点vs15.1点)、ことが明らかになった。また、CES-Dのカットオフ得点(21点)を基準として、CES-Dの得点が21点以上の人と20点以下の人に分けて同様の分析を行った。その結果、CES-Dの得点が20点以下の人においてのみ、同様の結果が得られた。身体活動や他者との会話・交流を行うことは、CES-Dで評価される抑うつ症状がカットオフ得点を超えない範囲である場合に、抑うつ症状を緩和する可能性があるという示唆を得ることができた。したがって、効果的なストレスマネジメント行動を実施することがストレス反応を緩和する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
効果的なストレスマネジメント行動の実施の有無とストレス反応との関連性に関して、調査を行っている。 また、研究成果の公表も行った。リカバリー経験とストレス反応および生活の質との関連性に関しては、調査に向けた準備が完了している。そのため、目的をすべて達成できていないものの、その達成にむけて順調に研究自体は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書に従い、研究を着実に遂行する。倫理的な配慮を十分に行う。
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Research Products
(3 results)