2013 Fiscal Year Annual Research Report
長鎖non-coding RNAを介した遺伝子発現制御を支える分子機構の解析
Project/Area Number |
12J07847
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
長谷川 優子 独立行政法人理化学研究所, 中川RNA生物学研究室, 特別研究員(PD)
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Keywords | Non-coding RNA / RNA結合タンパク質 / hnRNP U / ゲノムインプリンティング |
Research Abstract |
本研究は長鎖non-coding RNAによるエピジェネティックな遺伝子発現制御を支える分子メカニズムの解明を目指すものである。研究代表者は以前にRNA結合タンパク質hnRNP Uが長鎖non-coding RNAの一種であるXist RNAの制御を介してx染色体不活性化に関与することを見出した。前年度において、hnRNP Uによるエピジェネティックな遺伝子発現制御がX染色体不活性化の制御以外にも関与しているか検証するためにインプリンティング領域に着目し、hnRNP UがKcnq1インプリンティング領域に存在するインプリンティング遺伝子のアリル間の適切な発現バランスの制御に関与していることを明らかにした。また、hnRNP UがKcnq1ot1 non-coding RNAと相互作用し、その局在を制御していることも明らかにした。本年度はまずChlP解析により、hnRNP Uノックダウン時に起こるKcnq1クラスターの遺伝子発現変動はRNA polymerase llのアリル間での非対称な分布が阻害されることによって起こることを明らかにした。また、次世代シーケンサーを用いたRNA-seq解析により、hnRNP Uによってアリル間の適切な発現バランスが制御されている遺伝子がKcnp1クラスター以外にも存在するか調べた。その結果、以前にアリル間での発現に偏りがあるとして報告されていた遺伝子など複数遺伝子が候補として見つかった。現在、これら候補遺伝子のhnRNP Uによる発現制御と長鎖non-coding RNAとの関連を調べている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
シーケンサー解析においてライブラリ調整の段階でトラブルが発生し、データを取り直したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は次世代シーケンサーを用いたRNA-seq解析の結果を基にして、hnRNP Uと長鎖mn-coding RNAによるエピジェネティックな遺伝子発現制御がX染色体不活性化だけでなく、より一般的に使われている分子機構であることを示す。
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Research Products
(1 results)