2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J08413
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
相原 良太 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | スマートグリッド / 電力系統 / 揚水発電所 / 系統用蓄電池 |
Research Abstract |
本年度の研究では、電力系統の日本型スマートグリッド化への基礎的考察として、シミュレーション中に需要・PV出力変動や発電機故障などが発生した場合において、その後の時間断面でN-1基準を満たす等の明確な基準を考慮したシミュレーションの実施と、供給支障発生の様子の見える化を推進するための検討を行った。週間発電計画を1日ごとに作成しなおすシミュレーション手法及びそれに必要な最適化手法について提案・検討を行った。最適化計算アルゴリズムを先行研究と比較してシンプルな物へと変更する事によって計算時間の簡略化を実現し、新たな週間シミュレーション手法を確立した。また、これまで困難であった発電機故障を考慮した最適発電計画作成手法を提案し、その有用性を示した。 これらを踏まえた上で、PVの出力変動に対して運転予備力を考慮したシミュレーション手法を確立し、検討を行った。時間断面毎の最適な予備力の確保量を探索的に求める手法についても検討を行ったが、計算時間が非常にかかるため基礎的な検討のみ留まっている。しかしながら、予備力確保量の最適化を行った場合の結果は、PV出力の応じた予備力を確保した場合と大差が無く、PV大量導入時における供給信頼度確保のためにはPV出力に応じた予備力を確保せれば良いという知見が得られた。 最後に、新たな設備対策としての蓄電池導入に伴う、揚水発電所と蓄電池の最適運用計画作成手法の提案・検討を行った。多変数の同時最適化は困難であるため、揚水発電所の運用計画を最適化した上で、蓄電池の運用を決定するという手法を採用した。その結果、発電機燃料費を効果的に削減できる蓄電池の導入量や、余剰電力を解消できる蓄電池の導入量を決定する事が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究においては計算機によるシミュレーションを主に取り扱っているが、その過程において最適化計算を多用している。この最適化計算に、予想よりも多くの計算時間を要しているが、種々の方策により概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の通り、計算機シミュレーションによる最適化の高速化を図る必要性が有り、この対策として種々の方策を施している。具体的には最適解のデータベース化手法や、計算機自体のスペック強化など、ハードウェアとソフトウェアの双方から検討を行なっている。
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Research Products
(1 results)