Research Abstract |
H24年度は,自由記述ライフログ取得実験による取得ライフログデータの検討と,未来予測アプリケーションプロトタイプの制作を行った. ウェアラブルセンサなどによりライフログを自動的に記録するという試みは既にあるが,取得できるデータはセンサに規定されたものであり,行動に対する意味が含まれていない.そこで,完全に自由な記述を行うことのできる自由記述ライフログの取得を行なってもらうという実験を行い,人の1日を構成する行動を調査した.被験者は20代男性4人,期間は被験者によって1~2週間程度で,行動の発生した時刻または時間とその内容を逐一記録してもらうことだけを指示し,内容については制限を設けない自由記述形式のライフログを記録してもらった.合わせて519件のログを記録した.完全自由記述のためログ内容は被験者によって異なるため,同じ行動を示すものをまとめ,手動でクラスタリングを行った.その結果, 「(1)移動,食事,料理,睡眠,購入,身支度,入浴,トイレ,読書,テレビ,掃除(II)タスク」の12項目に分割した.生活に関する行動を1群,仕事などタスクに関する行動をII群とすると,1群で全体の6,7割,II群も合わせると7,8割を占めることになった.これから,I,II群の行動項目を用いて記録を行えば,1日の大半を説明可能であることが分かる.逆に,これらに含まれない行動が日常とは異なるイベントだと判断することもできると予測される. また,ライフログ取得・未来予測・予測提示を行うシステムのプロトタイプをスマートフォンアプリケーションとして制作した.このアプリは,ライフログと未来予測によりタスクマネージメントを行うもので,未来のある日時におけるタスク状態を日記形式で分かりやすく提示してくれる.未来予測手法としてはライフログとタスクログの単回帰を試みた-そして,10名程度の少数の被験者実験により主観的にある程度の妥当性があることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画書におけるH24年度の研究内容は,大きく分けて(1)ライフログとして記録する対象の検討,及びライフログ記録システムの設計・構築,(2)ライフログを基とした未来予測手法の検討,の2つであった.H24年度は,自由記述ライフログ実験によりライフログとして記録する対象の検討を行い,未来予測アプリケーションプロトタイプ制作によりライフログ記録システムの設計・構築を行い,またプロトタイプ制作過程において未来予測手法の検討を行った.以上より,研究実施計画の項目を達成しており,おおむね順調に進展していると評価する.
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