2012 Fiscal Year Annual Research Report
製品の使用経験及び新製品参入による影響を考慮した動的ジョイント・スペース・マップ
Project/Area Number |
12J08855
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長谷川 翔平 東北大学, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | マーケティング / ブランド選択モデル / 動的変化 / パネルデータ分析 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は,ジョイント・スペース・マップモデルの課題解決・拡張として,1.消費者の選好の動的変化をとらえた構造のモデル化、2.選好の変化の度合いによる消費者の分類、3.新製品参入による影響の分析を行うことである。 第1年度は,1.消費者の選好の動的変化をとらえた構造のモデル化、2.選好の変化の度合いによる消費者の分類,を主題として研究を実施した。 上で挙げた目的1,2についてまとめた論文が,マーケティング・サイエンス(Vol.21,No.1)に掲載された。この論文におけるモデルは,動的因子構造を用いることで,消費者のブランドロイヤルティを時間不変のブランドポジションと,時変の消費者選好に分類するものである。また,マップ上での消費者選好の動き方により,消費者を,時間を通じて選好が動かない,特定ブランドに強い選好を示すブランドロイヤルと,選好が大きく動き,多様性を求めるバラエティーシーカーに分類を行った。さらに応用として,消費者選好の将来予測と選好が変化するタイミングについて考察を行った。 また,上記論文内容の発展的拡張を行った研究を「Dynamic Brand Satiation」という題目でInternational Workshop on Marketing Science and Service Researchにおいて口頭発表し,論文としたものがJournal of Marketing Research(Vol.49,No.6)に掲載された。この研究は,ブランドまたは商品属性に対する「飽き」を動的因子構造によりモデル化したものであり,飽きを属性固有部分と消費者固有部分に分解した。結果の応用では,補償価値として,売り場からブランドを削除したときの影響を計ることで,製品ライン・品揃えの最適化問題について考察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度の計画に基づいた計画を行い,成果は学会誌に投稿・掲載された。また,発展的拡張を行った研究についても,海外ジャーナルへ投稿することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,新製品参入による市場構造の分析を行っていく。これについては,先行研究の整理を行った後,モデル作成,データを用いた実証分析を行う予定である。また,その他にも,消費者の選好が変化する構造を探る,構造モデルの研究を行う予定である。
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[Presentation] Dynamic Brand Satiation2012
Author(s)
Shohei Hasegawa, Nobuhiko Terui, Greg M. Allenby
Organizer
International Workshop on Marketing Science and Service Research
Place of Presentation
統計数理研究所(東京)
Year and Date
2012-07-02