2012 Fiscal Year Annual Research Report
ウェアラブル拡張現実感システムによる弱視者の自立的な移動支援に関する研究
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12J09839
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
折居 英章 九州工業大学, 大学院・工学研究府, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 視覚支援 / 画像センシング / 画像変換 |
Research Abstract |
本研究は,弱視者の安全で自由な自立的移動を支援するため,ウェアラブルカメラとヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いた視覚支援システムの開発を目的とする.本年度は,弱視者の移動支援システムを実現するための基礎技術として,ユーザ視覚情報からの歩行可能領域推定アルゴリズム,ユーザ環境推定のための物体認識技術,及び,弱視者の意図推定を用いたインターフェースの研究を行った. 視覚情報からの歩行可能領域推定では,ユーザの頭部に固定された単眼カメラの映像から歩行可能領域を画像処理的に抽出する方法について提案・検討した.提案法では,晴眼者は障害物の存在しない領域を通常は歩行するということに着目し,カメラ映像からの人検出結果を用いることで領域抽出の効率化・高精度化を図った.具体的な処理としては,カメラから得られる時系列的に連続した画像列に対して,歩行面検出のため連続するフレーム間での特徴点マッチングによる3次元解析を行い,その際,人検出結果に基づく遺伝的アルゴリズムによりマッチングした特徴点対を取捨選択することで効率的に歩行可能平面を構成する点対群を推定した. さらに,物体認識技術の研究では,ユーザの生活空間に存在する様々な物体を抽出・認識するため,対象の見た目変化に頑健な認識・識別アルゴリズムについて研究を行った.本研究の成果は,2012 International Workshop on Smart Info-Media Systems in Asia(SISA2012)にて発表した. 意図推定を用いたインターフェースの研究については,The 1st International Conference on Industrial Application Engineering 2013(ICIAE2013)にて口頭発表を行った.本研究では,弱視者の目表情を自動で認識し視覚情報の拡大提示を行うシステムを提案・構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実施計画」に記載したユーザの視覚情報からの歩行可能領域検出について,本年度はアルゴリズム構築と基礎的な検討を行うことができた.さらなる高度化を目指し,物体認識技術やユーザ意図推定を組み込むことの検討へも着手できた. 歩行可能領域推定において,物体認識技術やユーザ意図推定の研究を援用しさらなる精度向上を目指す.さらに,カメラなどの画像センサに加え,補助的に加速度センサ・ジャイロセンサや赤外線距離センサを用いることでユーザの周辺環境を高度に認識し移動支援の高度化を行いたい.
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Strategy for Future Research Activity |
情報提示については,弱視者の「ものがボケて見える」という視覚特性を踏まえ,低解像度においても識別性が劣化しない画像の低解像表現手法を参考。ご認識のし易さに有効な色分けや強調表示について検討する.また,HMDへの拡張現実感を用いた情報表示のための位置合わせについても検討していく.
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Research Products
(6 results)