2012 Fiscal Year Annual Research Report
太陽電池用シリコン基板中の欠陥発生メカニズムに関する研究
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12J09881
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
立花 福久 明治大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 結晶シリコン / 結晶欠陥 |
Research Abstract |
本年度は(100)CZシリコンを種結晶として用いた擬似単結晶の結晶成長およびインゴット中に存在する結晶欠陥の評価を行ってきた.まず,通常雰囲気において成長させたインゴットの評価から炭素不純物が起点となって小角粒界が発生することを突き止め,学会発表および学術論文として報告を行った.また,結晶成長中の雰囲気を制御することで,融液シリコンの濡れ性を抑制し,結晶成長中での坩堝壁面と融液シリコンの反応を抑制し,結晶欠陥の発生を制御し,大粒径化を行うことに成功した.これらの結果は申請時に予定していた研究項目の結晶インゴットの作製におけるH24年度の内容を大まかに達成している.作製したインゴットの評価に関しては,小角粒界の発生とその伝播,角度差毎の諸特性について評価を進めてきた.その中で,同一の角度差を示す小角粒界であっても,その再結合特性や金属不純物の捕獲能力に関して違いがあることを明らかにした.欠陥発生メカニズムの理論化に関しては,炭素不純物が起点となって小角粒界が発生することに対し,格子不整合もしくは歪が関係していると考えられる.既に報告事例のあった研究論文と比較,検討することで,格子不整合などが主として小角粒界の発生に関係していることを明らかにした.また,インゴット端部における結晶欠陥発生に関しては,融液シリコンの濡れ性が関与していると考えられる.本年度成長を行った濡れ性を抑制したインゴットでは,インゴット端部での結晶欠陥密度は大きく低減しており,また,インゴット上部においても欠陥密度が低減していることが明らかになった.このことから,インゴット全体の結晶欠陥密度の低減には結晶成長中にインゴット中心部で発生する結晶欠陥を抑制するだけでなく,るつぼ壁面で発生する結晶欠陥の抑制も重要であると言える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目である平成24年度は雰囲気制御による柑堝壁面と融液シリコンとの界面における結晶欠陥の発生の抑制に注力をしてきた.その結果,小型のインゴットにおける大粒径化を達成し,また,結晶欠陥の低減を達成した.堆堝壁面で引き起こされる結晶欠陥発生に関する軽元素不純物と融液シリコンの反応についてのモデル提起も行い,学会発表時に多くの研究者との意見交換をしてきた.現在,そのモデルの更なる確立に力を注いでおり,大型インゴットへの移行も視野に入れている. 研究成果の発表としては筆頭著者として,国際学会2件と国内学会1件の発表を行っており,また,昨年度までの研究成果を研究論文として2件発行に至っている.今後,現在の結晶欠陥発生モデルの論文執筆が期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
H25年度はH24年度に検討を行った結晶成長手法の大型化を視野に入れた研究を進めていく.その中で,大型化への問題となる項目の洗い出しを行い,異なるアプローチを検討しながら結晶成長方法の確立を行う.その中で,結晶欠陥の詳細な評価を進めていくことで,結晶欠陥発生のメカニズムの解明に取り組む.特に,増堝壁面との反応についてはH24年度に行った雰囲気制御を基に,より詳細に研究を進めていく.
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