2001 Fiscal Year Annual Research Report
分子シンクロを用いた高電荷輸送性ポリペプチド液晶の調製と新規画像素子への展開
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13022207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小林 範久 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (50195799)
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Keywords | ポリペプチド液晶 / 電荷輸送性高分子 / カルバゾール / 電場消光 / 画像材料 |
Research Abstract |
αヘリックス構造を有する剛直な棒状高分子であるポリペプチドは、適切な溶媒と濃度を選択することでリオトロピック液晶を形成する。規則配列された側鎖に電荷輸送サイトとなるカルバゾール基を導入したポリグルタメート(PCLG)を液晶状態とすることで固体膜に比べ高い移動度(【approximately equal】10_<-3>cm_2/V・sec)が得られ、高分子鎖間における構造規則性の重要性が明らかとなった。しかしながら、リオトロピック液晶であるためイオン性キャリアの寄与も考えられ、電荷輸送機構に不透明な部分が残っている。ここではこのPCLGリオトロピック液晶の電荷輸送特性に関し詳細な検討を行った。 1,4-ジオキサン中にPCLGを溶解し、溶媒に対して25wt.%以上のPCLG濃度を有するリオトロピック液晶を作製した。光起電力、閉路電流は液晶中のポリマー濃度増加に伴い増加し、イオン性キャリアに影響を与える液晶粘度ではなく電子的な電荷ホッピングサイト数の影響を受けることが確認された。液晶セルの電極間に電場を短時間印加したところカルバゾリル基のモノマー発光に由来する蛍光が減少し、電場のON/OFFによる繰り返し特性も得られた。また、液晶の配向状態の変化による消光について検討したところ、液晶の配向の度合いが向上すると消光の度合いも増加した。液晶状態が配向ネマチックに変化することにより電荷キャリアの輸送が有利な構造となり、そのため消光が増したと考えられる。また、光電流アクションスペクトルや移動度、熱刺激電流法による解析から、キャリア生成が側鎖カルバゾリル基に起因しており、PCLGリオトロピック液晶において発現される非常に高い移動度はイオン性キャリアではなく電子的なキャリアの移動に基づくことが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] N.Kobayashi et al.: "Photoelectrochroimisrn and Photohydrolysis of Sulfonated Polyaniline Containing Ru(bpy)_3^<2+> Film for Negative and Positive Image Formation"J. Electroanalytical Chemistry. 498. 216-222 (2001)
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[Publications] N.Kobayashi et al.: "Template Photopolymerization of Aniline Dimer by Photocatalytic Reaction of Ru(bpy)_3^<2+> in the presence of DNA"J. Materials Chemistry. 11. 267-268 (2001)
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[Publications] N.Kobayashi et al.: "An Organic Red-emitting Diode with a Water-Soluble DNA-Polyaniline Complex Containing Ru(bpy)_3^<2+>"J. Materials Chemistry. 11. 1766-1768 (2001)
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[Publications] 小林範久: "デジタルペーパーの最新技術 面谷 信監修、第8章"シーエムシー. 220 (2001)