2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13035040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
松本 直幸 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (00252726)
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Keywords | 大脳基底核 / 線条体 / 介在細胞 / 報酬 / 嫌悪 |
Research Abstract |
サル線条体の持続放電型の細胞(Tonically Active Neurons,TANs)は、報酬と連合された感覚刺激に対して応答を示し、この応答は報酬依存的であると考えられてきた。しかし近年、TANsの応答を規定する要因は報酬だけではないことが報告され、TANsの応答の機能的な意味について統一的な見解が得られていない。本課題では行動課題の学習・遂行中にTANsがどのような情報を担うのかを調べることを目的として実験を行った。サルが手元のレバーを押すと緑色のLED(指示1)が点灯し、その後LEDの色が赤、青、黄のいずれかに変わり、試行条件を提示する(指示2)。すなわちLEDが赤であれば成功試行で報酬の水を得ることができる報酬条件、青であれば顔面への空気の噴射を回避できる嫌悪条件、また黄の場合はビープ音のみが提示される中立条件である。サルは指示2の消灯を合図としてレバーから手を放さねばならない。反応時間およびエラー試行を解析することで、サルが3条件の違いを十分に理解し課題を遂行していることを確認したうえでTANsの応答を解析した。課題遂行中に記録された199個のTANsの応答を調べると、いずれかの条件において指示2に応答を示すものが98%を占めた。また指示2と同じ感覚種であるにもかかわらず指示1に対して応答を示すものはわずか35%であった。また、指示2に応答を示したTANsのうち全ての条件で応答を示したものは38%であり、残りの62%のTANsは条件の違いに依存した応答を示した。以上の結果からTANsは報酬や嫌悪などの行動の結果得られるものの違いを予告する感覚刺激に対して応答し、かつそれらの違いを区別しうることが明らかとなった。このようなTANsの応答特性は予想される行動結果に依存して投射細胞の活動を修飾し、その後の適切な行動の発現過程に必須の役割を果たすと考えられる。
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Research Products
(1 results)