2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13125203
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
江崎 信芳 京都大学, 化学研究所, 教授 (50135597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平竹 潤 京都大学, 化学研究所, 助教授 (80199075)
藤井 郁夫 生物分子工学研究所, 機能創製プロジェクト部門, 部長
吉村 徹 京都大学, 化学研究所, 助教授 (70182821)
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Keywords | コンポジット生体触媒 / 鉄硫黄クラスター / システインデスルフラーゼ |
Research Abstract |
本年度は、まず天然のコンポジット触媒と考えられる鉄硫黄タンパク質の形成機構について検討した。鉄硫黄クラスター形成の初発反応はシステインからの硫黄の遊離であり、システインデスルフラーゼと呼ばれるピリドキサル酵素によって触媒される。植物の葉緑体には、独自の鉄硫黄クラスター形成装置が存在し、葉緑体特有のシステインデスルフラーゼが中心的な役割を担うと考えられるが、その詳細は不明である。そこで、葉緑体の起源であると考えられるラン藻を用いてクラスター形成機構の詳細の解明を試みた。そのため、ゲノム解析が完了したSynechocystis sp.PCC6803の持つ、葉緑体システインデスルフラーゼの相同酵素(SsCsd3)の諸性質を検討するとともに、鉄硫黄タンパク質への硫黄転移を仲介すると示唆されるNifUホモログ、IscAホモログとの相互作用を調べた。その結果、SsCsd3は、フェレドキシンの鉄硫黄クラスター形成において、Synechocystis sp.PCC6803の持つNifUホモログSyNifUと相互作用する可能性が示された。 本年度はまた、新奇NADPH酵素であるN-メチルアミノ酸デヒドロゲナーゼ(NMAADH)の酵素学的研究を行った。NMAADHは、医薬品、殺虫剤に含まれる光学活性N-メチルアミノ酸をα-ケト酸とアルキルアミンから合成する反応を触媒する。本年度は、NMAADH遺伝子をPseudomonas putida ATCC12633から単離し、大腸菌にクローニングするとともに、遺伝子産物の大量発現と精製を行った。精製したNMAADHを用いて、基質特異性や各種基質に対する速度定数などを求めた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Mihara, H.: "Bacterial cysteine desulfurases : their function and mechanisms"Appl.Microbiol.Biotechnol.. 60. 12-23 (2002)
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[Publications] Mihara, H.: "The iseS gene is essential for the biosynthesis of 2-selenouridine in tRNA and the selenocysteine-containing formatedehydrogenase H"Proc.Natl.Acad.Sci., USA. 99. 6679-6683 (2002)
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[Publications] Mihara, H.: "Structure of external aldimine of Escherichia coli CsdB, an IscS/NifS homolog : implications for its specificity towardselenocysteine"J.Biochem.. 131. 679-685