2001 Fiscal Year Annual Research Report
発生やがん化に及ぼす内因性Jak-STAT阻害性ホスファターゼPTPεCの役割
Project/Area Number |
13216001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
菊池 九二三 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (20006117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田沼 延公 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助手 (40333645)
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Keywords | プロテインホスファターゼ / チロシンホスファターゼ / IL-6 / IL-10 / PTPε / 細胞分化 / 癌化 / アポトーシス |
Research Abstract |
われわれは,新規細胞質型アイソフォームPTPεCが存在することを報告し,PTPεCの遺伝子調節・発現・シグナル調節・サイトカイン特異性などを解析した。 1.PTPεの2つのmRNAは,単一遺伝子から,alternativeなプロモーター利用によって生ずる。 2.PTPεCの発現が,M1細胞を含む白血病細胞のマクロファージ分化過程で上昇する。 3.PTPεCは,その酵素活性依存的にIL-6によるM1細胞の分化を強く抑制し,このJAK-STAT経路の抑制は,JAK活性化レベルでの抑制によることを明らかにした。 以上の実績に立ち,PTPεCの生理作用の特異性を調べ,さらにPTPεCの個体レベルでの作用を調べる目的でPTPεCをトランスフェクトしたM1細胞をヌードマウスに接種し,増殖に与える影響を個体レベルで解析した。その結果,PTPεCの上記の抑制効果は,IL-6受容体およびIL-10受容体を介したSTAT活性化においても認められたが,これに対しインターフェロン(IFN)α/β受容体やIFNγ受容体を介したJAK-STAT経路に対しては認められなかった(Blood,98,3030-3034,2001)。また,PTPεCはM1細胞の増殖に有意の差を生じせしめた。現在,その理由を解析中である。これらの研究成果は,チロシンホスファターゼPTPεCの分子種特異的な生理機能・作用機構・作用特異性・遺伝子調節などを明らかにした点で,きわめて興味あるものである。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Bettina Linck: "Functional properties of the rat phosphatase 1α promoter"Molecular and Cellular Biochemistry. 223(1-2). 123-129 (2001)
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[Publications] Shinya Mitsuhashi: "Tautomycetin is a novel and specific inhibitor of serine/threonine protein phosphatase type 1, PP1"Biochemical and Biophysical Research Communications. 287(2). 328-331 (2001)
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[Publications] Kouhei Masuda: "MKP-7, a novel mitogen-activated protein kinase phosphatase, functions as a shuttle protein"Journal of Biological Chemistry. 276(42). 39002-39011 (2001)
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[Publications] Nobuhiro Tanuma: "Protein tyrosine phosphatase εC selectively inhibits interleukin-6-and interleukin-10-induced JAK-STAT signaling"Blood. 98(10). 3030-3034 (2001)