2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13420017
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 厚 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (10107493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 仁志 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (10134438)
井上 正仁 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (30009831)
西田 典之 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (90012509)
芝原 邦爾 学習院大学, 法学部, 教授 (60030615)
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Keywords | 汚職 / 賄賂 / 収賄 / 贈賄 |
Research Abstract |
1 本研究は,公的職務の担当者の汚職に対する刑事規制のあり方について,国際的な動向を視野に入れつつ総合的な検討を加えようとするものである。本年度は,研究の2年目に当たり,前年度の研究成果を踏まえ,さらに検討課題についての考察を深めるべく共同研究を行った。 2 わが国の汚職の実情と法的問題点については,昨年度に引き続き,情報収集並びにその分析を行った。それにより,いくつかの論点を摘出し,その論点について集中的な検討を加える作業を行った。その結果,わが国が抱える汚職規制の法的問題点についてはかなり明らかにすることができたと思われる。そうした研究成果を基礎として,研究代表者である山口は,わが国の汚職規制の現状と課題についてペーパーを作成し,平成14年11月に東京で開催された国際刑法学会の汚職に関するコロキウムに提出した。 3 海外の状況については,ヨーロッパにおける汚職規制の取組についての分析・検討を継続するとともに,国際連合における汚職対策条約の作業について新たに検討を加える作業を集中的に行った。これにより,国際社会における汚職規制の動向並びにその課題について認識を深めることができたと思われる。また,平成14年10月に法務省で開催された汚職に関するシンポジウムに山口が参加し,とくにアジア諸国における汚職規制について,重要な知見を得ることができた。さらに,同年11月に開催された国際刑法学会コロキウムには研究代表者・分担者が参加し,諸外国の状況についての認識を深めるとともに,本研究の成果に基づく発言等を行った。 4 以上の成果を踏まえ,次年度は,これまでに手薄であった制裁論にも焦点を当てて,全体的に研究を深め,その成果を取りまとめることを予定している。
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