2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13450132
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 眞史 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10322835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植村 哲也 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20344476)
雨宮 好仁 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80250489)
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Keywords | 強磁性多重トンネル接合 / MRAM / トンネル磁気抵抗デバイス / スピン共鳴トンネル現象 |
Research Abstract |
不揮発で高速・高密度のランダムアクセスメモリは次世代のユビキタス情報ネットワークに必須のデバイスである。強磁性トンネル接合デバイスを用いるMRAMは有力な候補の一つである。従来の研究では、MRAM応用を目指したトンネル磁気抵抗デバイスとして、強磁性単一障壁構造を用いている。本研究では、MRAMの高性能化のための重要な課題であるトンネル磁気抵抗比の増大に対して、強磁性多重障壁構造におけるスピン共鳴トンネル現象の活用の可能性を追求した。具体的に、強磁性3重障壁構造におけるスピン共鳴トンネル現象に着目し、電流-電圧(I-V)特性を理論的に解析した。この結果、I-V特性は、スピンの磁化方向に依存するそれぞれピーク型のI-V特性となること、すなわち、スピンの共鳴トンネル現象に由来する非常に強い非線形性を示すことを明らかにした。メモリとしては、エミッタ/コレクタ電極および第一の強磁性量子井戸の磁化方向を固定し、第2の強磁性量子井戸の磁化方向を第一の強磁性量子井戸磁化方向に対して、平行(メモリ"1")あるいは反平行("0")に制御することにより、非揮発性メモリを構成できる。交換分裂エネルギー(2h_0)および保持力の大きさの観点から、材料系について検討し、室温で強磁性を示す遷移金属強磁性体の中では、Ni系材料が適することを明らかにした。本デバイスの有する強い非線形I-V特性により、"1"と"0"の読み出し電流比が従来に比較して飛躍的に大きくなり、MRAMの高集積化、高集積化に有望である。具体的に、本デバイスとMOSトランジスタを組み合わせた回路シミュレーションにより、読み出し電流比が、従来デバイスの10^3程度の非常に大きな値になることを示した。以上、強磁性多重障壁構造におけるスピンに依存する共鳴トンネル現象が、MRAMの高性能化に新しい可能性を与えることを示した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Marukame, T.Uemura, M.Yamamoto: "Analysis of a Triple Barrier Structure Consisting of Ferromagnetic and Non-magnetic Quantum Wells"Collected Abstracts of 2003 RCIQE Int. Seminar on"Quantum Nanoelectronics for Meme-Media-Based Information Technologies". 128 (2002)
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[Publications] T.Uemura, T.Marukame, M.Yamamoto: "Proposal and analysis of a ferromagnetic triple-barrier resonant-tunneling spin filter"To be published in Proceedings of the IEEE Int. Magnetic Conference. (2003)
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[Publications] T.Uemura, M.Yamamoto: "Proposal of Four-Valued MRAM based on MTJ/RTD Structure"To be published in Proceedings of the 33rd IEEE Int. Sym. on Multi-Valued Logic. (2003)