2001 Fiscal Year Annual Research Report
機能性複合材料の創製のための非水溶媒電気化学プロセスの開発
Project/Area Number |
13450309
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
粟倉 泰弘 京都大学, 工学研究科, 教授 (70109015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
邑瀬 邦明 京都大学, 工学研究科, 助手 (30283633)
平藤 哲司 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70208833)
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Keywords | 電析 / 複合材料 / 複合めっき / 非水溶媒 / 室温溶融塩 / アルミニウム / ジメチルスルホン / ナノサイズ粒子 |
Research Abstract |
金属と酸化物や窒化物などの不活性粒子とを共析させる複合電析は、金属材料にユニークで優れた機能性を付与することのできる魅力的なプロセスである。特にナノサイズ粒子の複合電析により分散強化された薄膜は、マイクロマシン作製技術への応用が期待できる。ミクロンサイズ粒子の複合電析は既に工業的に利用されているが、ナノサイズ粒子の複合電析は困難である。この原因として、親水性である粒子の表面に吸着した水分子と、電析金属表面に吸着した水分子との間に働く斥力(solvation force)の影響が指摘されている。この仮説に基づき、水を含まない非水溶媒を使用し、本年度は、SiO_2,SiC,Al_2O_3,TiBおよびBN粒子のアルミニウムとの共析について検討した。溶媒としてジメチルスルホン(DMSO_2)を用いた。この溶媒は、AlCl_3溶解度が高く、また浴中でのAlCl_3の蒸気圧はAlCl_3-NaCl溶融塩に比べ著しく低く、それほど高価でない(約75US$/kg)。用いたSiC,SiO_2,Al_2O_3,TiBおよびBNの平均粒径はそれぞれ、700nm,200nm,50nm,1.9μmおよび4μmである。電解浴組成は2.1mol AlCl_3/kg DMSO_2とした。すべての電析実験は温度110℃で定電流電解により行った。 分散粒子としてSiO_2,およびAl_2O_3を用いて、電流密度8A/dm^2で電析したところ、緻密で滑らかなアルミニウムの電析が認められ、アルミニウムマトリックスの電析形態は分散粒子によってあまり影響を受けなかった。球形の単分散SiO_2粒子は、その形状から容易にアルミニウムマトリックスと区別でき、マトリックスに取り込まれる異なる段階の粒子が観察できた。また、粒子の凝集はほとんど認められず均一に分散しており、結晶粒界への優先析出も認められない。Al_2O_3粒子はより粒子径が小さいため認識しづらいが、球形の粒子の共析が認められる。他のSiC, TiBおよびBNについても、粒子は分散性良くアルミニウムと共析した。 このように、ナノ粒子の金属との複合電析において非水溶媒を用いることは非常に有効な手段であることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] J.Fransaer, E.Leunis, T.Hirato, J.-P.Celis: "Aluminum composite coatings containing micron-and nano-sized particles electroplated from a non-aqueous electrolyte"Journal of Applied Electrochemistry. 32・(in press). (2002)