2001 Fiscal Year Annual Research Report
九州の中山間地域における放牧家畜の機能と役割に関する研究
Project/Area Number |
13460120
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
杉本 安寛 宮崎大学, 農学部, 教授 (20041030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西脇 亜也 宮崎大学, 農学部, 助教授 (60228244)
平田 昌彦 宮崎大学, 農学部, 助教授 (20156673)
長谷川 信美 宮崎大学, 農学部, 助教授 (50281217)
高木 正博 宮崎大学, 農学部, 助手 (70315357)
伊藤 哲 宮崎大学, 農学部, 助教授 (00231150)
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Keywords | 林内放牧 / スギ / ヒノキ / GPS / DNA / 植物種の多様性 / センチピートグラス |
Research Abstract |
諸塚村内で行われている幾つかの林内放牧地に植栽されたスギおよびヒノキ幼令木について、下刈り区と放牧区の成長を比較した結果、林内放牧によって成長が抑制される例はみられず、むしろ良好となる事例が認められた。放牧牛の糞および渓流水の大腸菌DNAをマーカーとして、放牧牛糞による渓流水汚染を検討したが、渓流から5m以上離れている放牧地からの糞による汚染はみられなっかた。GPSを利用して林内放牧牛の行動調査の結果、その行動は下草の量、飲水施設、傾斜度、休息場所等に影響を受けていると推察された。また、諸塚村浅藪地区において、林内放牧地、人手による下刈り地、および下刈りが終了し下層植生が再生途上にある若齢造林地の植物種の出現状況を調査し、種組成および種多様性を比較した。放牧地では下層植生が再生しつつある造林地と比較して森林性木本植物の出現種数が少なかったが、この傾向は人手による下刈り地もほぼ同様あった。すなわち、放牧による植物種の多様性に対するインパクトは、人手による下刈りの場合とほとんど差はないと推察された。今後は立地条件を考慮した解析が必要である。 九州中山間地の放牧用永年牧草として有望視されるセンチピードグラスの定着に及ぼす立地条件や造成方法の影響について検討した結果,東西南北いずれの斜面方位でも越冬可能であること,斜面方位による現存量の差はないこと,播種1〜2年目には部分耕起法が不耕起法よりも良好だが,長期的には両者の差は縮まると予測されることなどが示された。
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Research Products
(2 results)