2002 Fiscal Year Annual Research Report
光触媒TiO_2スパッタ薄膜の可視光反応化に関する研究
Project/Area Number |
13480176
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Research Institution | Toyama University |
Principal Investigator |
高橋 隆一 富山大学, 工学部, 助教授 (80019223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
升方 勝己 富山大学, 工学部, 教授 (80157198)
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Keywords | スパッタ / 薄膜 / 光触媒 / 環境材料 / 光半導体 / 電気化学 / 殺菌作用 / 可視光反応 |
Research Abstract |
可視光反応型TiO_2/WO_3二層膜を形成するために、反応性高周波マグネトロンスパッタ装置を用いて、WO_3薄膜を形成し、その結晶構造、表面形態並びに光学特性を調べた。 1.WO_3形成膜はX線回折の測定より単斜晶(monoclinic)型の結晶構造をもち、A(002)、A(022)、A(004)面における回折ピークを示すことが確認され、薄膜形成時のスパッタガス圧の変化により結晶の基板配向性に著しい差異が生じた。 2.最適なスパッタガス圧で作成されたWO_3薄膜はA(002)、A(004)面のピークのみが観測され、結晶のC軸が基板に垂直となることが確認された。 3.スパッタガス圧が高くなるほど、灰色の金属色から黄色、更に薄黄色と変化し、形成膜の色調が、スパッタガス圧に依存することが確認された。 4.形成膜の透過率はスパッタガス圧に依存し、スパッタガス圧が低くなるほど、長波長領域でなだらかに減少し、光吸収端が可視光側にシフトすることが確認された。 次に、上記で形成されたWO_3薄膜を下地層としたTiO_2/WO_3二層膜を形成し、赤外分光特性の測定から、その光触媒評価をメタノールガスの分解実験により行った。 5.WO_3膜を下地層とした二層化により、メタノールガス中の二酸化炭素の分解時間が速くなることが明らかにされた。 6.WO_3膜の光透過率特性が良好な膜ほど、メタノールガスの分解時間が短縮され、可視光照射130分後でTiO_2単層膜の場合に比べ、約2倍程度短縮されることが示された。 7.太陽照明灯を照射しない時においても、少しの二酸化炭素のピークが観測されている。 以上の結果から、明らかに可視光による光触媒反応が増加したためと考えられる。二層化によりメタノールガスの分解時間が著しく短縮されることが確認され、可視光が有効に利用されていることが示された。今後は二層化のための再現性あるデータの蓄積を目的とする。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takakazu Takahashi: "Atomic Force Microscopy Observation of TiO_2 Films Deposited by dc Reactive Sputtering"Journal of Vacuum Science and Technology A. Vol.20 No.4. 1205-1209 (2002)
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[Publications] Takakazu Takahashi: "Effects of Plasma Exposure on Structural and Optical Properties of TiO_2 Films Deposited by Facing Targets Sputtering"Journal of Vacuum Science and Technology A. Vol.20 No.6. 1916-1920 (2002)
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[Publications] Takakazu Takahashi: "Dependence of Working Gas Pressure and Ratio of Ar to O_2 On Properties of TiO_2 Films Deposited by Facing Targets Sputtering"Thin Solid Films. Vol.420-421. 433-437 (2002)
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[Publications] Takakazu Takahashi: "Influence of Working gas presure on Structure and Optical Properties of WO_3 Films Reactively Deposited by RF Magnetron Sputtering"Journal of Vacuum Science and Technology A. (to be published). (2003)
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[Publications] Takakazu Takahashi: "Photocatalytic Properties of TiO_2/WO_3 Bilayers Deposited by Reactive Sputtering"Journal of Vacuum Science and Technology A. (to be published). (2003)
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[Publications] Takakazu Takahashi: "Raman Spectroscopy Measurement of TiO_2 Sputtered Films Changing Degree of Plasma Exposure"Journal of Vacuum Science and Technology A. (to be published). (2003)