2002 Fiscal Year Annual Research Report
モレキュラーインプリンティングによる農薬分解人工ポリマー酵素の創製
Project/Area Number |
13555227
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
竹内 俊文 神戸大学, 自然科学研究科, 教授 (70179612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 健二 日産化学工業(株), 機能材料事業部, 主席
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Keywords | モレキュラーインプリンティング / 分子認識 / 触媒 |
Research Abstract |
本研究では,ナノ三次元空間反応場をモレキュラーインプリンティングの手法を用いて構築することで、トリアジン系除草剤が特異的に結合・分解し、無毒化するための人工材料を開発することを目的とする。 トリアジン系除草剤分解ポリマーの合成と選択性評価 テンプレート(atrazine),機能性モノマー(methacrylic acid,2-sulfoethyl methacrylate),架橋剤(ethylene glycol dimethacrylate),重合開始剤(2,2' -azobis-isobutyronitrile),溶媒(chloroform)を混合し、UV照射して重合させた。得られたポリマーを硫酸/メタノール溶液で洗浄し、テンプレートを除去した後、農薬に対する保持時間を計測する事によってインプリントポリマーの選択性を評価した。その結果、トリアジン系除草剤に対しては高い結合力を示し、トリアジン系以外の農薬に対してはほとんど結合していない事から、ポリマーがトリアジン系除草剤と選択的に作用している事が示された。 トリアジン系除草剤に対する触媒活性評価 ポリマー3mgに様々な濃度のシマジン、プロパジン、テルブチラジン溶液(メタノール/クロロホルム,1/9,v/v)を分注し、22℃で一定時間インキュベーションを行い、分解生成物の生成速度と基質濃度の関係を調べ、それより反応速度定数k_<cat>を求めて各農薬に対するインプリントポリマーの触媒活性能を評価した。その結果、インプリントポリマーによるトリアジン系除草剤の分解生成物はそれらのC1基をCH_3O基に置換した化合物であることが確認され、シマジン、プロパジン、またはテルブチラジンはインプリントポリマーによって1.0×10^<-5>(M/min)前後で分解されている事が示された。
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