2001 Fiscal Year Annual Research Report
X線導波路を用いたX線進行波による表面分析法の開発
Project/Area Number |
13555232
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河合 潤 京都大学, 工学研究科, 教授 (60191996)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 久貴 NTTアドバンステクノロジ, 研究員
田辺 晃生 京都大学, 工学研究科, 助教授 (90026237)
井手 亜里 京都大学, 国際融合創造センター, 教授 (50232939)
|
Keywords | X線進行波 / X線反射 / 屈折 |
Research Abstract |
近年,数ナノメーター膜厚の層が多数積層した多層膜は,極在電子素子として注目を集めているが,同時に,それら多層膜は,X線の光導波路としての働きも期待できる.したがって,これらの多層膜材料を分析する場合,その光導波路としての働きを利用すれば,表面敏感な化学計測が可能となり,表面・界面の原子の化学状態,相互拡散,界面粗さ,バルクとの密度の違いなどに関する化学情報を得られる.また,これらの積層素子のエージングや熱処理プロセス効果をその場で検査することも可能となる・さらに,多層膜への化学吸着による光導波路の性質の変化(エバネッセント波は浸み出して吸着化学種の影響を受ける)を利用すれば,表面の新しいキャラクタリゼーション法となる. 進行波(traveling wave)は定在波(standing wave)と対の概念である.両方の用語とも,ラジオ波からマイクロ波にかけての電子工学で使用されてきた.X線が表面で全反射しているときには,入射波と反射波とが干渉して定在波を形成する.全反射臨界角で定在波を消し,進行波が表面に形成されるような工夫(X線に対する光導波路を人工的に作るか利用する)をして表面敏感測定を行なおうというのが本研究の目的であった.X線進行波という名称は本研究代表者の独自な用語でありその報告はなかったが,シリコンウエハーのような平板の上に極めて薄い薄膜をのせた試料にX線を照射し,X線の導波路としての働きを持たせることができることを確認した. 本研究では,(1)光学的な設計を行い多層膜を製作した.(2)その多層膜が光導波路として働き,計算と実験の一致を確認した.(3)計算と実験のわずかな違いを利用して,表面のキャラクタリゼーションを行った.
|
Research Products
(2 results)