2003 Fiscal Year Annual Research Report
X線導波路を用いたX線進行波による表面分析法の開発
Project/Area Number |
13555232
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
河合 潤 京都大学, 工学研究科, 教授 (60191996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 久貴 NTTアドバンステクノロジ, 研究員
田邊 晃生 京都大学, 工学研究科, 助教授 (90026237)
井手 亜理 国際融合創造センター, 教授 (50232939)
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Keywords | X線進行波 / X線反射 / 屈折 / 表面分析 |
Research Abstract |
白色X線を試料に照射したとき,臨界エネルギーよりも小さなエネルギーは試料表面で反射し,大きなエネルギーのX線は試料中に侵入し屈折する.試料が多層膜である場合には,反射したX線が表面や界面での反射によって干渉し,打ち消しあったり強めあったりすることに対応したエネルギー分布を持っており,膜厚や界面の化学状態を解析することができる事が過去2年間の研究でわかった.本年度の研究では,等角反射角度とずれた位置でエネルギースペクトルを測定し,どのような現象が起きているのかを検討した.また,エネルギースペクトルの角度依存性もあわせて測定した. X線管のターゲットにはMoを使用し,白色X線を試料に照射した.X線管と試料の間には,0.5mm径のスリット,0.15mmのソーラースリットさらに発散角0.1°の発散防止スリット,試料と検出器の間には1mm径のホールスリットを配置した.試料は(Mo/B_4C)_<30>/Siなどを用いた.(Mo/B_4C)_<30>/SiはSi上にMoとB_4Cを交互に蒸着したものであり,Mo層とB_4C層のそれぞれの膜厚は3.1nm及び3.8nmである.試料はホルダーの上に垂直になるように固定した.極角θを固定し,方位角φを変化させて反射光の測定を行った. θを0.4°,0.5°,0.6°などに固定してφを変化させると,エネルギースペクトルが低エネルギー側へシフトする事がわかった.このようなエネルギースペクトルのシフトは,理論計算と一致した.入射角度を固定し,検出器の角度を変化させながらエネルギースペクトルを測定することで,多層薄膜のキヤラクタリゼーションが容易に行える事がわかった.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] P.Karimov, J.Kawai: "An X-Ray Reflectivity Simulation Program"RIGAKU DENKI Journal. 33(1). 20-24 (2002)
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[Publications] J.Kawai, S.Tohno, Y.Kitajima, O.E.Raola, M.Takaoka: "Depth selective chemical state analysis of Pb and S in fly ash in municipal solid waste incinerator using X-ray absorption spectroscopy"Spectrochim. Acta. B58. 635-639 (2003)
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[Publications] 貝淵和喜, 河合潤, 永園充, 福島昭子, 辛埴: "希土類フッ化物のX線吸収スペクトル"X線分析の進歩. 34. 253-258 (2003)
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[Publications] Z.Liu, K.Yuge, J.Kawai: "High resolution Lα X-ray fluorescence spectra of palladium compounds"Spectrochim. Acta. B59. 93-99 (2004)
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[Publications] Z.Liu, S.Sugata, K.Yuge, M.Nagasono, K.Tanaka, J.Kawai: "Correlation between chemical shift of Si Kα lines and the effective charge on Si atom and its application in the Fe-Si binary system"Phys.Rev.. B69. 035016-1-035106-5 (2004)
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[Publications] Z.Liu, J.Kawamura, M.Nagasono, K.Maeda, J.Kawai: "Determination of the structure of boron subphosphide by P Kβ x-ray fluorescence spectra"J. Electron Spectrosc.Relat.Phenom.. 135. 75-83 (2004)