2002 Fiscal Year Annual Research Report
B型肝炎のラミブジン耐性獲得のメカニズムの解析と対策の検討
Project/Area Number |
13557049
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
茶山 一彰 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00211376)
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Keywords | YMDD野生株 / YMDD変異株 / lamivudine / peptide nucleic acid / YMDDvariant |
Research Abstract |
平成13年度に構築したlight cyclerによるウイルスの定量系を用いて、平成14年度には、YMDD変異株出現例と非出現例で、lamivudine投与早期におけるウイルス動態について検討を行い、YMDD変異株出現の指標を推定、報告した。 平成14年度には、peptide nucleic acid(PNA)とPCR-RFLP法を用いて、さらに高感度にYMMD変異株を検出する系を構築し、検出感度を従来のPCR-RFLP法の10^4倍まで上昇させることを可能にした。この系を用いることにより、耐性株出現のより早期発見が可能となりた。また、lamivudine非投与例でもYMDD変異株の検出を行うことにより、HBe抗体陽性B型肝疾患62例中1例(1.6%)で、YVDDが存在することを確認した。またさらなる解析により、白然界に種々のYMDDvariantが存在することを確認し、報告した。 H14年度には、YMDD野生株と変異株の1.5×HBV DNAのコンストラクトを作成し、培養細胞にトランスフェクションし、ウイルスの放出、蛋白発現を確認した。このHBV感染細胞系にlamivudineを投与し、YMDD野生株と変異株の薬剤感受性の比較検討を開始したところである。また、YMDD変異株のコンストラクトのトランスフェクションをLamivudineの存在下、非存在下で行い、複製されてくるHBVのquasispeciesについても検討を開始した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 大石和佳: "B型慢性肝炎に対するラミブジン投与時のYMDD変異株出現例と比出現例でのreal time PCRによるウイルス動態の検討"肝臓. 43巻・4号. 214 (2002)
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[Publications] 大石和佳: "ラミブジンはどのような人に始め、どのようにやめるか"medicina. 39巻・10号. 1725-1727 (2002)
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[Publications] 大石和佳: "B型慢性肝炎におけるラミブジンの投与法と中止法"消化器科. 36巻・2号. 205-210 (2002)
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[Publications] Akihito Tsubota: "Lamivudine therapy for spontaneously occurring severe acute exacerbation in chronic hepatitis B virus infection : a preliminary study"Am J Gastroenterol. 96巻・2号. 557-562 (2001)
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[Publications] 茶山一彰: "ラミブジンによるB型慢性肝炎の治療"VIRUS INFECTION. 13巻・4号. 80-81 (2002)
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[Publications] 茶山一彰: "B型・C型肝炎治療の新たな展開"犬山シンポジウム記録刊行会. 38-44 (2002)