2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13557227
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高野 徹 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00263236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
納富 継宣 栄研化学(株), DVGユニット技術開発チーム, チームリーダー(研究職)
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Keywords | Thyroid / Malignant Lymphoma / ABRP / RT-PCR / IgM / Monoclonality |
Research Abstract |
IgM mRNAのモノクロナリテイーを検出する甲状腺悪性リンパ腫の術前分子診断を確立するため、まずtotal RNA中のIgM mRNAを効率よく増幅する系を確立することをめざした。IgM mRNAは3'側のconstant region(μ鎖)と5'側のvariable regionからなり、さまざまなクローンを均等に増幅するためには3'側の既知の配列の情報のみで増やさなければならない。最初は従来の5'RACE法を用いたが、特異性が低く、IgM mRNAの選択的増幅は困難であった。そこで最近開発された高温で反応させることができる逆転写酵素(Thermoscript)を使用し、逆転写をIgMのμ鎖に将異的なプライマーで65度の条件で行うことで、微量検体中のIgM mRNAの選択的増幅の特異性を高めることに成功した。次に、末梢血、橋本病一例、悪性リンパ腫一例の組織からのRNAを抽出して、以下の手順でIgM mRNAを増幅してモノクロナリテイーを解析した。まず、IgMのμ鎖に特異的なプライマーで65度でcDNAを合成する。2本鎖を作成後、4塩基認識の制限酵素で切断し、リンカーをつなげる。そして、リンカー配列とIgMμ鎖の配列とでnested PCRを行い、PCR産物をゲル電気泳動で解析した。その結果、橋本病は末梢血とほぼ同じパターンのバンドが検出されたが、悪性リンパ腫では明らかに異なる位置に強いバンドが検出されモノクローナルなIgM mRNAの存在が推測された。この方法を使えば悪性リンパ腫の微量検体からの診断が可能であると考えられ、今後1)悪性リンパ腫組織でのモノクロナリテイー陽性率の多数検体での検討、2)穿刺検体での診断効率の検討の手順で臨床応用を進める予定である。
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Research Products
(1 results)