中国都市住宅における環境とエネルギー消費の実態把握と持続可能な環境形成技術の開発

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13574007
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 吉野 博 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30092373)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 吉野 泰子 日本大学短期大学部, 建築学科, 助教授 (90269499) ; 徳田 昌則 大学評価・学位授与機, 構評価事業部, 教授 (30006027) ; 持田 灯 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00183658) ; 張 晴原 筑波技術短期大学, 建築工学科, 助教授 (70227346)
• Keywords: 中国 / 都市集合住宅 / 環境問題 / 室内温熱環境 / アンケート調査 / 実測調査 / 住宅設備 / 住まい方

Research Abstract

夏期(8月)に北京及び長沙,冬期(1月)に長沙及び重慶においてアンケート調査及び実測調査を行った。対象住宅は,いずれも都市部の集合住宅であり,アンケート調査では各都市ともに住宅100件に質問用紙及び液晶温度計を配布し,実測調査では北京9件(夏期),長沙10件(夏期・冬期),重慶10件(冬期)の住宅で室内環境測定を行った。その結果,以下の点を明らかにした。
1.アンケート調査により上記3都市の都市集合住宅における住宅特性,住まい方,冷房等の設備状況,満足度などの実態を把握した。
2.実測調査により上記3都市の都市集合住宅における室内温湿度環境の実態を把握した。
3.夏期の室温に大きく影響するエアコンの使用について,長沙,北京ともに1日2回,日中(12〜15時)と夜の団らん時(18〜22時)に稼動率のピークがある。50%以上の住宅で冷房が行われる期間は,北京が7月上旬〜8月中旬,長沙が7月上旬〜9月上旬である。
4.夏期において,長沙では冷房の使用状況によって居室温湿度(25〜32℃、50〜80%RH)は様々であり,居室温湿度がASHRAEの快適範囲に近い住宅と高温で多湿の住宅がある。北京のほとんどの住宅において,居室温湿度(26〜30℃,50〜70%RH)はASHRAEの快適範囲外である。また,室内温湿度環境を既往の調査と比べると,長沙は上海に,北京は西安に類似している。
5.冬期において,長沙では暖房の使用状況によって居室温湿度(3〜21℃,40〜100%RH)は様々である。一方,重慶では暖房を使用していた住宅はほとんどなく,居室温度が10〜13℃,相対湿度が75〜95%RHで安定している。

Research Products

• [Publications] Hiroshi Yoshino, Shan Guan, etc.: "Summer Survey on Indoor Thermal Environment of Urban Residential Buildings in China"Journal of Asian Architecture and Building Engineering. Vo1.1, No. 2. 65-72 (2002)
• [Publications] 吉野博, 重野貴之, 他: "中国の都市住宅における夏期の室内温熱環境に関する調査"日本建築学会技術報告集. Vo1.117, No.1498. 169-172 (2002)
• [Publications] 関山, 吉野博, 他: "中国の5都市の集合住宅における冬期室内温熱環境に関する調査"社団法人 空気調和・衛生工学会講演論文集. I. 993-996 (2002)