2001 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア地域の口腔癌における癌関連遺伝子の多様性解析
Project/Area Number |
13576025
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
程 クン 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40207460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 秀夫 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00157629)
鈴木 誠 新潟大学, 歯学部・附属病院, 講師 (50107778)
大城 和文 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (50332648)
依田 浩子(米持 浩子) 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (60293213)
朔 敬 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40145264)
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Keywords | 口腔癌 / 癌関連遺伝子 / リンパ球 / 表在癌 / マイクロディセクション / PCR / 東アジア / 南アジア |
Research Abstract |
(1)症例収集:口腔癌およびその前癌病変症例を、中国では上海第二医科大学、韓国ではソウル国立大学校、マレーシアではマラヤ大学、インドネシアではエアランガ大学、スリランカではペラディニア大学に協力を要請した。マレーシア、スリランカ、インドネシアの症例については、研究分担者朔が各施設に出張し、スリランカからは共同研究者ティラカラトネ博士(当初計画のメンディス博士退任のため交替)が新潟大学に出張して症例を共同で検討した。口腔癌症例では、組織学的に古典的な浸潤性高分化型扁平上皮癌と非浸潤性表在性扁平上皮癌(表在癌、superficial carcinoma)を区別するように提唱した。 (2)疫学調査:日本側研究者と中国、韓国あるいは東および南アジアの海外共同研究者らと疫学調査の具体的方法を協議し、口腔癌の患者の氏名、年齢、性、住所、民族、初診時期、症状、経過、処置、予後等の調査方法様式を定めた。日本国内では、新潟県症例を用いた。 (3)病理組織学的検索:上記によって収集した症例のHE染色標本を検索し、従来の異型上皮の範疇を超えるが未だ基底膜が保存されて浸潤性を獲得していない表在癌がアジア各地に発癌背景が全く異なるにもかかわらず存在することが確認された。これらの病態はリンパ球反応が高度で、しかも周囲に二層性異型上皮が存在するのが特徴的であった。 (4)分子生物学的実験:(1)で収集した一部の症例のパラフィンブロックから連続切片を作製し、通常のHE染色とともに、初期癌性変化微小病巣をマイクロディセクション法によって選択的に切り出しポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法によるがん関連遺伝子DNA断片増幅をおこなう条件を検討し、同検索法について海外共同研究者の理解をえた。 次年度は、研究分担者および海外共同研究者が一同に会して、上記「表在癌」の病理学的定義およびその疾患概念の適切性について協議をもつ必要があるという共通の認識をえたので、その実施にむけて準備をすすめている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 鈴木 誠 ほか: "舌癌-長期にわたり再発をくりかえした口腔癌の一例-"新潟医学会雑誌. 31(2). 61-64 (2001)
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[Publications] Jen K., et al.: "Stromal characteristics of squamous cell carcinoma of the tongue compared between well- and poorly-differentiated foci : an immunohistochemical study"歯科基礎医学会雑誌. 43(5). 632 (2001)
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[Publications] 鈴木 誠 ほか: "口腔粘膜多発癌の臨床病理学的検討"日本病理学会雑誌. 91(1). 342 (2001)