2003 Fiscal Year Annual Research Report
ADHDを伴うLD児に対する「環境対話教育」のキャンプ効果
Project/Area Number |
13610339
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Research Institution | Kurashiki City College |
Principal Investigator |
平山 諭 倉敷市立短期大学, 保育学科, 教授 (50173266)
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Keywords | AD / HD / LD / 環境対話法 / 環境対話キャンプ / サイコモーター / GO-NOGO課題 / 脳科学 / 神経伝達物質 |
Research Abstract |
本研究の趣旨に沿い、第18回環境対話キャンプを、2003年7月19日〜21日に、岡山県渋川青年の家で、また第19回環境対話キャンプを、2003年12月19〜21日に、岡山県教育センター閑谷学校で開催した。基本プログラムはサイコモーター、子ども会議、親会議、パソコン認知課題、グループワークであった。 これまで開発してきたADHD検査やGO-NOGO課題などを用いて、行動改善や脳の前頭葉機能改善に有効であることが立証されつつある。特に、第19回キャンプで導入したGO-NOGO課題では、前頭葉抑制系機能に有意な改善が認められた(キャンプ1日目とキャンプ3日目)。この結果、環境対話法を、脳科学の、特に神経伝達物質の心理的特性を活用する立場から、「コントロールされた環境と意織的にかかわらせること、すなわち対話をさせることにより、前頭葉や扁桃体のシナプスに特定の神経伝達物質を流し、行動の改善を目指す教育臨床的手法」と再定義するに至った。脳は、人的・物的環境との手間隙かけた意識的な相互作用、すなわち対話により、活性化(神経ネットワークの構築)が促されるものであること、また、特に子どもと教育者との間にあるのは、相互の身体及びその運動(いわば表出)の認知的フィードバックであること、を不可欠な方法論的要素としていることが再認識された。ADHD児には、『リズム(強弱)のある話し方』『テンポ(速さの変化)のある話し方』『確認を取り入れた話し方』を基本とした授業展開に、『考えさせる』『見通しをもたせる』『希望をもたせる』『複雑なことをさせる』『複雑な人間関係におく』『待たせる』『楽しませる』『表現させる(運動させる) 』『緊張感を与える』『刺激をコントロールする』技術が有効と考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 平山 諭 他: "AD/HDの注意制御メカニズムを捉える課題開発の試み"倉敷市立短期大学 研究紀要. 第39号. 1-7 (2003)
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[Publications] 平山 諭 他: "幼稚園における就学児のための保育臨床プログラム〜その有効性の検討〜"倉敷市立短期大学 研究紀要. 第39号. 9-13 (2003)
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[Publications] S.Hirayama et al.: "Effect of docosahexaenoic acid-containing food administration on symptom of AD/HD"EJCN. 58. 467-473 (2004)
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[Publications] 平山 諭: "希望がもてるADHD・LD・AS児の環境対話入門〜未来派の子どもたちのために〜"対話フレンズ. 88 (2003)