2001 Fiscal Year Annual Research Report
フランス語における他動性と間接目的機能の統辞・語彙的研究
Project/Area Number |
13610604
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
敦賀 陽一郎 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (30155444)
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Keywords | 直接目的 / 関接目的 / 移動 / 奪格 / 与格 / 向格 / 関係的意味 / 動詞構文型 |
Research Abstract |
本年度は、間接目的de-N/Infinitif(以下Inf)とa-N/Infとを取る用例の収集、分析を、主にCD-Rom化された資料体を中心に行っている。その途中経過(3000例ほどを調査)として次のような直接・間接目的を取る傾向が確認しうる。deについては、(1)de-N/Inf : 72例(直接目的のde-Infは除く)(2)N-de-N/Inf : 45例(3)se-de-N/Inf : 32例。aについては、(1)a-N/Inf : 109例(2)N-a-N/Inf : 92例(3)se-a-N/Inf : 29例。deの意味タイプとしては、「原因」、「起源」、「話題」に関係するものが目立つ。aについては「方向」を示すものが多い。これらの意味タイプは「奪格」、「与格」、「向格」といわれるものと関連している。用例を増加し細部を詰める点は多く残っているが、間接目的の関係的意味のタイプの傾向は、これらを組織する動詞の基本的意味特徴と密接につながっている。具体的なものから極めて抽象的なものも含めた「移動」、「移動方向」というような意味特徴をヒントに分析を絞ると問題点、重要点が明らかになるように思われる。また、個別の構文毎の頻度だけではなく、同一動詞が組織する複数の構文(当該間接目的を組織しないものも含めて)のそれぞれに注目する必要があるという点も明らかになった。(例えば、N0-charger-N1-de-N2, N0-charger-N2-dans-N1, N0-charger-N1-avec-N2, N2-charger-N1, N1-se-charger-deN2, etc. の相互の関連と頻度数。)構文毎の幾つかの個別の典型的動詞の調査により、対象としている間接目的が含まれる構文の意味的枠組みとその中で間接目的の占める位置が明かになる。また、これらを集大成することにより間接目的に関係する構文型の全体系が把握しうる。
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Research Products
(1 results)