2001 Fiscal Year Annual Research Report
日独語のフィクションに現れるダイクシスの言語学的対照研究
Project/Area Number |
13610624
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡辺 伸治 大阪大学, 言語文化部, 助教授 (90201186)
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Keywords | ドイツ語学 / 日本語学 / 語り / ダイクシス / フィクション |
Research Abstract |
今年度の研究実績の概要は以下の通りである。 1)コーパスの作成 今年度は研究の前提となるデータを収集するためのコーパスの作成をおこなった。 方法は、オリジナルが日本語のフィクションとそのドイツ語訳をドキュメントフィーダーを装着したスキャナーで読みとり、研究補助を用いてデータをスペルチェッカー、および、手作業により修正する方法を用いた。 2)理論的枠組みの整備 2.1.)今年度はダイクシス概念の整備もおこなった。その成果の一部は、2001年10月20日、21日に開催された日本独文学会秋季発表会において、「新しいドイツ語文法構築への試み-命題の成立条件とその周辺」というシンボシウムでの「言語と言語外世界」という題目のもと公表した。この発表では、特に、次元をどう捉えるか、また、原点概念の問題が考察された。 2.2.)日本語のモダリティ表現がドイツ語ではどの様に訳されているかという問題は、本研究に大きく関わるが、今年度は「ようだ」という推量の助動詞を取り上げ、特に時制との観点から考察した。 「ようだ」にはいくつかの用法があるが、時制の観点から見ると、ある時制で可能な用法は限定されることがわかった。その結果は、「言語文化共同研究ブロジェクト2001-言語における主観性をめぐって」(大阪大学言語文化部)所収の、「時制から見たヨウダの用法」という論文として公表した。
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Research Products
(1 results)