2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610645
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Research Institution | Fuji Tokoha University |
Principal Investigator |
小池 理恵 富士常葉大学, 流通経済学部, 講師 (80329573)
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Keywords | Mauritius / Morisien / Mauritian Creole / Virahsawmy, Dev |
Research Abstract |
13、14年度の実地調査に基づき、研究報告書を作成した。 クレオールと呼ばれる言語を全国民の共通話としてもつMauritiusは今後その言語をモーリシャス語という母国語として確立していくことが出来るのかという課題からDev Virahsawmy氏に対する2度目のインタビューテープをおこし、モーリシャス大学の大学院コースである「モーリシャスのクレオール文化講座」の受講学生および公用語である英語科の学生に行ったアンケート調査を集計しそこから有識者の母国語に対する意識を分析した。このアンケート調査の結果、実施数の約70%がモーリシャス語を母国語と認め、Virahsawmyの使用し始めたモーリシャス語(Morisien)という呼称をモーリシャス・クレオール(Mauritian Creole)よりも好ましく考えていることが確認された。 またVirahsawmyの作品(詩)のいくつかを英語に翻訳する共同作業の成果を日本語に翻訳、すでに翻訳されている戯曲Liの日本語訳も行い報告書の資料とした。今回は英国での実地調査が出来なかったが、Virahsawmyの作品を英訳し、上演している英国のBorder Crossingからの資料に基づき国外での受容の一端を知ることができ、またシェークスピアとの関連性についても触れることができた。 今後の課題としてはモーリシャス語の定着、更にモーリシャス文学の未来についての展望が挙げられる。様々な面でフランス色が残るMauritiusであるが地理的に米英にとって有益な地域に位置していることもあり、政治的要素を除く文化的要素のみで分析することは今後難しいと思われる。従って更に国内外の政治的力関係を分析していく必要がある。
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Research Products
(2 results)