2002 Fiscal Year Annual Research Report
溶液中のトリプルヘリックスのコイルへの相転移温度の溶液内決定機構の実験的解明
Project/Area Number |
13640505
|
Research Institution | Nagoya University, Faculty of Science, Dept.of Chemistry |
Principal Investigator |
冨山 徹夫 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20155576)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 裕次 名古屋大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (20127228)
|
Keywords | (Pro-Pro-Gly)_<10> / コラーゲンモデル物質 / 最小転移温度 / アルコールの効果 / 転移温度 / プロリンリングの挙動 / UPとDOWN / 低温転移 |
Research Abstract |
1.トリプルヘリックスーコイル転移へのイソプロパノール添加の効果の解明。 我々はトリプルヘリックスを形成するコラーゲンモデルペプチド(PPG)_<10>の重水の溶液について、核磁気共鳴吸収の研究から、イソプロパノール、n-プロパノールを添加すると、添加量が10パーセント前後で転移温度が最小になる事を見出した。一方メタノール、エタノールは、添加に伴って、転移温度を上昇させた。我々は、この理由を解明した。アルコール入ると、当然、統計鎖とトリプルヘリックスの両方に影響する。しかし、我々が知る限り、状態の安定性は、未変性状態について、もっぱら議論されている。実際は、変性剤は溶液中の両方の状態の分子に影響する。未変性状態の転移温度が上昇するのは、未変性状態が、安定化するか、変性状態が不安定化するときである。我々は、これを実験的に示した。メタノールとエタノールは疎水基が小さいので、統計鎖の安定性は上がらず、イソプロパノール、n-プロパノールでは、安定化し、転移温度が一旦下がる。 2.(Pro-Pro-Gly)_<10>の低温転移の研究 重水系で、トリプルヘリックスからランダムコイルへの主転移に先立つ低温転移を発見し、その転移現象の解明を試みてきたが、最近、核磁気共鳴を用いて、この転移の実体を明らかにした。低温転移での熱吸収の原因が一方のプロリンリングの挙動と関連することが判明した。(Pro1-Pro2-Gly)_<10>分子が低温では、Pro1がDOWN、Pro2がUPであるのが、転移後は、Pro2がUPのままで、Pro1がUPとDOWNの間で早い相互変換することが分かった。さらに転移の実体がわかると、コラーゲン類の熱測定で、今までに観測されていない理由も明らかになるはずである。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] T.Tomiyama, T.kai et al.: "The mechanisms by which the transition of (Pro-Pro-Gly)10 Changes by addition of alcohols"Polymer Pre. Prints. Vol.52(未定). (2003)
-
[Publications] T.kai, T.Tomiyama, et al.: "Is the triple helix of(Pro-Pro-Gly)10 in a single state in solution?"Polymer Pre. Prints. Vol.52(未定). (2003)
-
[Publications] T.Tomiyama, T.kai et al.: "Effect of alcohols on the thermal transition of(Pro-Pro-Gly)_<10>"BIOPHYSICS UPPLEMENT. VOL42. S19 (2002)
-
[Publications] T.kai, T.Tomiyama, et al.: "Is the triple helix of(Pro-Pro-Gly)_<10> in a single state in solution?"BIOPHYSICS UPPLEMENT. VOL42. S48 (2002)
-
[Publications] T.kai, T.Tomiyama, et al.: "Effects of Alcohols on the Thermal Transition of Collagen Model Peptides in Solution"Polymer Pre. Prints. Vol.50. E922 (2001)
-
[Publications] Y.Nishi, T.Tomiyama, et al.: "Electrostatic Interactions of a Collagen-like Triple-Helical Polypeptide in Solution"Polymer Pre. Prints. Vol.50. E922 (2001)