2002 Fiscal Year Annual Research Report
界磁磁束を自由に制御できる高速搬送用新型リニアシンクロナスモータの開発研究
Project/Area Number |
13650310
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小山 純 長崎大学, 工学部, 教授 (00037920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
副島 勝則 (有)木崎エンジニアリング, 代表取締役社長
阿部 貴志 長崎大学, 工学部, 助手 (30222649)
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Keywords | リニア同期モータ / 半波整流ブラシなし励磁 / 弱め界磁運転 |
Research Abstract |
本研究は,鉄道や搬送装置に応用するために,高速領域で弱め界磁運転が可能で自励式のリニア同期モータ(LSM)の実現を目的としている。提案する新型LSMは、固定子電機子巻線に推力電流成分に励磁電流成分を重畳した脈動電流を加えることによって,バイアス周波数で脈動しながら移動子d軸に同期して進行する交番起磁力を作り,この起磁力によって移動子界磁巻線に誘導される起電力を界磁巻線に組み込んだダイオードで半波整流することにより励磁を得るものである。 本年度は,昨年度の研究により試作した新型LSMを用いた実験結果を基に,駆動用システムの改善を図り,静推力試験を行なった。また,最適可動子形状の検討を行うために,有限要素法を用いた設計手法の確立を行ない,推力脈動改善や垂直力抑制が可能となる形状について考察した。さらに,有限要素法と回路シミュレータを連成させ,過渡解析を可能にする手法を確立した。 本年度に得られた主な成果は以下の通りである。 1.駆動システムの改良,および静推力特性の実験的検証 昨年の研究にて試作したリニア同期モータの静推力,効率などの基礎特性を測定すると共に,電動機パラメータを実験により測定し,有限要素法による設計パラメータと比較し,さらに回路シミュレータを利用し,試作機の過渡解析を行なった。 2.有限要素法を用いた最適可動子形状の検討 本リニアモータを搬送用として応用する際に問題となる,推力脈動や垂直力脈動の抑制を目的として,最適な可動子形状の検討を有限要素法を用いて行なった。その結果,非対称形状,2段スライド形状などを採用することで,脈動や垂直力を抑える形状を提案した。 3.回路シミュレータとの連成による過度解析手法の検討 実験では検証し難い過渡特性などを,試作機パラメータや2.の有限要素法の結果より得られた最適形状可動子の電動機パラメータを利用し,回路シミュレータにて制御システムと共に過渡解析が可能となる解析手法を確立した。これにより,本リニア同期モータヘ供給する励磁電流や推力電流のバランスなど,制御法に関する検討が可能となった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Jun OYAMA: "Principle and Analysis of a Novel Linear Synchronous Motor with Half-Wave Rectified Self Excitation"Proc. of the 17the International Conference on Magnetically Levitated Systems and Linear Drives. No.PP07109. 1-6 (2002)
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[Publications] 小山 純: "半波整流自励方式リニア同期モータの試作"第14回「電磁力関連のダイナミックス」シンポジウム. No3A14. 301-306 (2002)
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[Publications] 小山 純: "半波整流自励方式リニア同期モータの駆動システムの試作"平成14年電気学会産業応用部門大会. Vol.2No.193. 853-856 (2002)
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[Publications] 小山 純: "半波整流自励方式リニア同期モータの推力解析"平成14年電気学会産業応用部門大会. Vol.2No.194. 857-860 (2002)