2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650596
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
平山 けい子 山梨大学, 工学部, 助手 (40111778)
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Keywords | 酵母 / Candida sp. / 低温域 / 好気的窒素除去 / 有機性廃水処理 |
Research Abstract |
[目的]南極マクマードドライバレイ地域のバンダ湖上層水より分離されたCandida sp.を用い、低温好気的条件下で低温域での溶存有機炭系(TOC)および窒素除去について研究を行った。開放系での培養や排水処理に役立てることを目的として、低pHないし塩素のTOCと硝酸性窒素除去に及ぼす影響について検討を行った。 [方法]本研究で使用した好冷性酵母Candida. sp.は、10〜15℃付近に至適生育温度があり、硝酸塩の資化性(+)ビタミン要求性(-)、NaCl耐性(0〜5%)(+)、醗酵性(lactoseを除く)(+)、などが特徴の酵母である。Candida sp.の保存菌株をYM培地50mLに1白金耳加え5〜10日間前培養した後、硝酸塩を窒素源(N0_3-N濃度100mg/L)にした簡易合成培地110mLに菌体を約0.1g(乾燥重量)加え、培養温度5℃で通気培養した。この培養液のC/N比、pH,塩素(Cl)濃度等の条件を変え、菌体量、培養液中のTOC、硝酸性窒素(NO_3-N)を経時的に測定し、酵母の生育とTOC、NO_3-Nの除去を調べた。 [結果]窒素は、培地のC/N比40以上でほぼ100%除去された。以下の実験は、C/N比40で行った。Cl濃度5mg/Lと10mg/Lで、いずれも5日で酵母は約4倍に増殖し、TOC、NO_3-Nは50%以上除去され、pHは若干上昇した。Cl濃度20mg/L以上では、酵母は増殖しなかった。pH3の培地では他の培地に比べて若干菌体濃度の増え方が遅いものの、ph4〜8の培地でのTOC除去率、No_3-N除去率とほとんど差がなかった。pH3(pHコントローラで一定),Cl濃度0mg/Lで培養した場合、4日目で酵母は3倍に増殖し、TOCは95%以上除去され、NO_3-Nは6日で55%以上除去された。pH6,Cl濃度5mg/Lで培養した場合、3日目で酵母は2.6倍に増殖し、TOCは95%以上除去され、NO_3-Nは4日目で約95%除去された。
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