直列連結式温度成層型蓄熱システムの蓄熱量予測と蓄熱運転制御に関する研究

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13650650
• Research Institution: Osaka University
• Principal Investigator: 相良 和伸 大阪大学, 工学研究科, 教授 (30109285)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 北野 博亮 三重大学, 工学部, 助手 (80293801) ; 寺島 貴根 三重大学, 工学部, 助教授 (90217422) ; 山中 俊夫 大阪大学, 工学研究科, 助教授 (80182575)
• Keywords: 蓄熱 / 温度成層 / 直列式 / 最適設計 / 運転制御 / 温度分布 / 蓄熱量 / 予測

Research Abstract

本研究は、直列連結式の温度成層型蓄熱システムの最適運転制御を目的として、任意人力変動条件下における蓄熱槽の槽内混合特性を把握し、実際の運転状況をシミュレート可能な槽内混合モデルを検討するための実験を行うと共に、蓄熱システム全体の運転シミュレーションを行うことにより、蓄熱システムの最適設計・運転制御に必要な蓄熱量の予測を可能としたものである。
昨年度までに、直列に連結した実験用蓄熱槽を構築して、一定流量・温度条件における基本的な槽内混合特性を実験的に検討し、モデルの予測制度の検証を行うと共に、任意の変動入力条件に対応できるモデルの開発、実システムの実測結果でのモデルの検証、実際の運転状況における蓄熱量の推移の予測精度の検証を行ってきた。本年度は、任意変動入力に対応する槽内混合モデルの再検討のために、実験・実測に加えて流体数値シミュレーションによる詳細な槽内混合特性の把握を行い、実際の運転状況に即した条件下で槽内蓄熱量の予測を可能とするための以下の研究を行った。
1.入力条件を任意に変化させることができる制御システムを利用して、入力が中断された後に再開されるような変動入力条件下における実験を実施し、変動入力条件下の槽内混合特性を把握した。
2.詳細な槽内の混合機構を分析するために、二次側空調機への送水温度に関して重要な取水口付近の流れの状態を流体数値シミュレーションにより詳細に検討した。
3.実験と流体数値シミュレーションの結果の分析を踏まえてモデルの再検討を行い、より予測精度の高い槽内温度分布および蓄熱量の時々刻々の予測を可能とした。
4.太陽熱暖房システムの運転状況を仮定した蓄熱運転シミュレーションを行うことにより、蓄熱槽容量と槽内蓄熱量の関係の検討を行い、任意変動入力に相応した槽内混合モデルの応用的な適応可能性の検討を行った。
5.研究成果を取りまとめた。