2001 Fiscal Year Annual Research Report
塩基配列多型を利用したコムギ春化関連遺伝子の解析及び連鎖マーカーの開発
Project/Area Number |
13660009
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
加藤 鎌司 岡山大学, 農学部, 助教授 (40161096)
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Keywords | コムギ / 低温要求性 / 日長反応性 / DNAマーカー / dCAPS |
Research Abstract |
1.コムギの5A,5D染色体上でVrn-1座近傍にマップされているRFLP遺伝子座領域をPCR増幅し,塩基配列を解析した.その結果,Xwg644に対応する増幅産物において(TG)及び(A)の反復数などが異なる3タイプの配列が見出され,(TG)_3型配列が5B染色体特異的であることが判明した.そこで,'Triple Dirk'の準同質遺伝子系統のうちVrn2型のTD(B), Vrn4型のTD(F)及び全劣性型のTD(C)の計3系統について(TG)_3型配列を比較したところ,SNP多型が検出され,dCAPSマーカー化に成功した.TD(B)×TD(C)のBF_2世代で播性とdCAPS多型を解析した結果,Xwg644-5B座とVrn2間で1.7cMの連鎖が確認された.従って,Vrn2がVrn-B1に相当すること,及びdCAPSマーカーXwg644-5BをVrn-B1の選抜マーカーとして利用できることが明らかである. 2.秋播型アブクマワセ×チホクコムギのF_1から作出したDH85系統を作出し,出穂特性の遺伝様式を解析した.春化反応は,DH系統では小:中:大の3群に分けられ,分離比が4:3:1に適合したことから,3遺伝子の関与が示唆された.日長反応性は両親系統ともに不(弱)感光性と考えられたが,DH系統では3.5日(8160)1643.5日の超越分離が認められ,不(弱)感光性:感光性が7:1に分離した.従って,秋播型アブクマワセ,チホクコムギは互いに異なるPpd遺伝子を保有し,どちらかの品種が2つのPpd遺伝子を保有すると考えられた.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Iwaki, K.Nakagawa, K.Kato: "The possible candidate of Vrn-B1 in wheat, as revealed by monosomic analysis of Vrn gene carried by Triple Dirk(B), the former Vrn2"Wheat Information Service. 92. 9-11 (2001)
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[Publications] K.Iwaki, J.Nishida, T.Yanagisawa, H.Yoshida, K.Kato: "Genetic analysis of Vrn-B1 for vernalization requirement by using linked dCAPS markers in bread wheat (Triticum aestivum L.)"Theoretical & Applied Genetics. (印刷中). (2002)
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[Publications] 加藤鎌司, 小原義規, 後藤志乃, 柳沢貴司, 吉田久, 藤田雅也: "秋播型コムギDH集団を用いた出穂特性の遺伝解析"育種学研究. 4(別冊1)(印刷中). (2002)