2002 Fiscal Year Annual Research Report
機能ゲノム学的手法によるバラ科果樹の自家不和合性花粉側因子の同定
Project/Area Number |
13660011
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
佐々 英徳 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助手 (50295507)
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Keywords | 自家不和合成 / 雌ずい / 花粉 / RNase / F-boxタンパク質 / バラ科 / ユビキチン / アーモンド |
Research Abstract |
これまでのアーモンドScハプロタイプ領域の解析から、花粉S遺伝子は、S-RNase遺伝子近傍の約70kbpの領域に存在する可能性が高いことを指摘した。この約70kbpの領域の全塩基配列をショットガンシーケンスによって決定し、ORFの領域を推定した。推定された12のORFについて花粉で実際に発現している遺伝子の単離を試みたところ、2つのORFが花粉で発現していることが確認された。更に解析を進めたところ、一方のORFはS遺伝子型に対応した配列多様性を示し、花粉で特異的に発現するなど、花粉S遺伝子にふさわしい性質を持つことが明らかになった。この遺伝子は新規のF-boxタンパク質をコードしていたことから、SFB(S haplotype-specific F-box protein)と命名した。F-boxタンパク質は一般的に、他のタンパク質と共にSCFと呼ばれるタンパク質複合体を形成し、タンパク質ユビキチン化の最終段階を触媒することが知られている。F-boxタンパク質はSCF複合体の中で、基質タンパク質の認識を行っている。今回の知見は、花粉Sタンパク質は花粉管内に取り込まれたS-RNaseをユビキチン化し、26Sプロテアソームによる分解に回す役割があることを示唆している。これらの結果を報告した論文はPlant Cell誌3月号に掲載された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sassa, H., et al.: "A pistil-specific thaumatin/PR 5-like protein gene of Japanese pear (Pyrus serotina):sequence and promoter activity of the 5' region in transgenic tobacco"Plant Molecular Biology. 50. 371-377 (2002)
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[Publications] Ushijima, K., et al.: "Structural and transcriptional analysis of the self-incompatibility locus of almond : Identification of a pollen-expressed F-box gene with haplotype-specific polymorphism"Plant Cell. 15. 771-781 (2003)