2002 Fiscal Year Annual Research Report
食用野草の成長・増殖能力の促進による新増殖・生産システムの開発
Project/Area Number |
13660019
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
高樹 英明 山形大学, 農学部, 教授 (30007223)
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Keywords | 休眠 / 成長力の季節的変動 / in vitro増殖 / ギボウシ / アマドコロ / ユキザサ / ギョウジャニンニク / チャイブ |
Research Abstract |
1.休眠・成長力の人為的制御 ギボウシを高温長日条件に移すと生育段階にかかわらず、休眠導入が抑制されてシュートの成長を継続した。主軸が栄養成長をしている場合は主軸の栄養成長が継続し、主軸が抽苔している場合は側芽の萌芽成長が誘起され、主軸の替わりにそれが成長した。ただし、オオバギボウシとコバギボウシとの間には側芽の成長能力に差異があり、前者の側芽は萌芽成長誘起に低温遭遇を要求したが、後者の側芽は高温長日条件を含む非短日の広い条件下で速やかに萌芽成長を開始した。 アマドコロ、ユキザサは、前年夏秋期に形成された新芽が当年春に成長し、それが食用のため収穫されるが、その新芽の成長開始には低温遭遇を要求した。さらに、低温遭遇時期は新芽の発達がある段階に達した後でないと、成長しても矮化成長しか示さなかった。その他、斑入アマドコロ、ギョウジャニンニク、チャイブに関しても成長力の年間変動と成長誘起のための低温要求度、また成長適温が季節的に変動することを明らかにした。 2.In vitro増殖 ギボウシの胚軸培養で多数の不定芽形成を誘導できた。そのシュートをin vitroである程度成長させてから、順化に移し、順化成功率100%を達成した。アマドコロ発芽種子からも不定芽を誘導し、それを継代してin vitroで多数の不定シュートを形成させることができた。比較的大きなシュートの順化に成功したが、増殖過程に長期間要することや大量増殖の点に課題が残った. 3.種子生産 ギボウシの8系統の種子生産について調査した結果、発芽力のある種子を大量に得られる系統から、開花は旺盛でも種子が全く得られない系統まで、種子生産力は系統によって大きな差異のあることを認めた。ユキザサは果実がまれにしか得られず、しかも種子発芽には特別な条件を要求することが示唆された。
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Research Products
(2 results)