2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13660107
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
木村 靖夫 鳥取大学, 農学部, 教授 (10011983)
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Keywords | 植物寄生性線虫 / 殺線虫剤 / α、β-dehydrocurvularin / terrestric acid / 植物毒 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度からの継続および以下のような新規な研究成果を得た。 1)【咋年度からの継続】 咋年度、麦芽培地で培養した未同定菌(Aspergillus sp.)の濾液から、3種類のcurvularin類縁体を単離していたが、本年度、菌体の抽出物から、8-hydroxy-7-ketocurvularinを単離同定した。ついで、殺線虫活性(キタネグサレ線虫:Pratylenchus penetrans)を調べた結果、curvularin類縁体においては、α、β不飽和ケトンの存在が活性に大きく関与していることを明らかにした。また、線虫活性と同様に植物に対しても、毒性を示すことがわかった。 2)【殺線虫枷衛物質の単離】 未同定の糸状菌(Penicillium sp.)を麦芽培地で培養し、キタネグサレ線虫:Paratylenchus penetransに対する殺虫活性を指標にして、濾液の酢酸エチル可溶中性区から、殺線虫活性物質を単離し、terrestric acidと同定した。本化合物について、殺線虫活性は、コントロールとしたaspyroneと同じ活性を示した。しかし、自活性線虫(Caenohabiditis elegans)に対しては活性を示さなかった。本化合物はイネ(cv.sasasnisiki)に対する植物活性試験により、イネの植物毒として報告されていた。しかし、イネの種類を変えて生物試験を行った結果、植物毒とは必ずしも言えないことを示唆した。すなわち、イネ(cv.nihonnbare)に対しては,ほとんど生育に影響を与えず、また、レタス(cv.kingcisco)の生育にも影響を与えないことを明らかにした。以上の結果から、選択的に線虫を防除し、また植物に無害である殺線虫活性物質を、微生物の代謝産物中に見いだせる可能性を明らかにした。 これらの実績は、2003年6月の第3回環太平洋農薬会議(ハワイ)で招待講演する。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] M.Kusano, Y.Kimura et al.: "β、γ-Dehydrocurvuralin and related compounds as nematicides of Pratylencus penetrans from the fungus Aspergillus sp."Bioscience, Biotechnology and Biochemistry. 66(in press). (2003)