2001 Fiscal Year Annual Research Report
ブタ子宮に存在するプロスタノイド受容体とその機能に関する研究
Project/Area Number |
13660304
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
種池 哲朗 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (30048110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北澤 多喜雄 酪農学園大学, 獣医学部, 助教授 (50146338)
横田 博 酪農学園大学, 獣医学部, 助教授 (90137414)
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Keywords | Prostanoid受容体 / 子宮筋(ブタ) / FP受容体 / DP受容体 / EP受容体 / 筋層差 / 子宮収縮制御 |
Research Abstract |
Prostaglandin(PG)製剤は、獣医臨床領域で分娩誘起、発情同期化などに用いられているがPGの作用部位であるprostanoid受容体の存在、分布を家畜の生殖器系で検討した報告は見当たらない。そこで本研究ではブタ子宮(発情前期)に存在する機能的prostanoid受容体種、その縦走筋(LM)及び輪走筋間(CM)での分布を収縮実験から解析し以下の成績を得た。(1)LMにおいてPGF_<2α>,PGE_2,PGD_2,PGI_2はこの順序で収縮活性を増加した。しかし、高濃度のPGE_2(1μM以上)では収縮抑制が起き濃度反応曲線はベル型になった。(2)CMにおいてPGD_2は、自発収縮の高さ及び頻度を濃度依存性に抑制した。この抑制にはcAMPが関与していた。一方、PGE_2,PGF_2,PGI_2の自発収縮抑制作用は極めて弱かった。(3)Cloprostenol(FP受容体agonist)及びBW-245C(DP受容体agonist)を用いた解析から、ブタ子宮にFP受容体(LM>CM)及びDP受容体(CM>LM)が筋層依存性に存在していることが示された。(4)各種EP受容体のagonist, antagonistを用いた検討から、収縮性受容体としてEP1,EP3が抑制性受容体としてEP2が存在すること、PGE_2による収縮にはEP3が抑制にはEP2が関与していることが明らかになった。(5)Cicaprost(IP/EP3受容体agonist)は、LMの自発収縮を増大させたが、CMの自発収縮は抑制した。このことは、cicaprostがLMではEP3受容体にCMではIP受容体に主に作用することを示し、IP受容体の存在とその分布が筋層により異なることを(CM>LM)示唆した。(6)Indomethacinは、K^+収縮には影響を与えずLMの自発収縮頻度を減弱させた。一方、CMの自発収縮は全く影響を受けなかった。以上の成績から、ブタ子宮には,収縮性(FP,EP1,EP3)及び抑制性(DP,EP4,IP)prostanoid受容体が存在し、その分布には筋層差(IP,DP,CM>LM;EP1,EP3,FP,LM>CM)が認められることが明らかになった。また、indomethacinが自発収縮を減弱させたことから、内因性PGはLMで自発収縮の発生に関与するものと考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 沙衣布扎提米克熱木, 畠山洋文, 田島剛, 北澤多喜雄, 種池哲朗: "ブタ子宮筋に存在するプロスタノイド受容体サブタイプの薬理学的解析"J.Smooth Muscle Res (Jap Section). 5. J69-J80 (2001)
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[Publications] Cao J, Shayibuzhati M, Tajima T, Kitazawa T, Taneike T.: "In vitro pharmacological characterization of the prostanoid receptor population in the non-pregnant porcine myometrium"Eur.J.Pharmacol.. (in press). (2002)