2001 Fiscal Year Annual Research Report
ブタ血球凝集性脳脊髄炎ウイルスの神経親和性決定機構と持続感染機序の解明
Project/Area Number |
13660314
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
平野 紀夫 岩手大学, 農学部, 助教授 (40092308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠山 稿二郎 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (10129033)
平 秀晴 岩手大学, 農学部, 教授 (70045756)
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Keywords | 血球凝集性脳脊髄炎ウイルス / コロナウイルス / 神経細胞親和性 / シナプス通過性 / グリア細胞 / 軸索 / 中枢神経系 / 坐骨神経 |
Research Abstract |
ブタ血球凝集性脳脊髄炎ウイルス(HEV)のラット、マウス感染実験により下記の成績を得た。 (1) マウス、ラット後肢皮下接種した中枢神経系(CNS)は大脳皮質錐体細胞、海馬錐体細胞、小脳プルキニエ細胞など大型神経細胞に免疫組織化学的染色によりHEV特異抗原が認められ、グリア系細胞には検出されなかった。これを免疫組織学的にアストロサイトを杭GFAP抗体、ミクログリアを杭TB-4抗体、HEV感染細胞を杭HEV抗体で染色し、これら抗体による2重若しくは3重染色によりHEV感染細胞を同定し解析した。 その結果、HEV抗原はGFAP抗体陽性細胞、TB-4陽性細胞には検出されず、HEVが神経細胞に感染する事が示された。 (2) 末梢神経からCNSへの感染はHEVの後肢皮下接種後、直ちに坐骨神経を切断、もしくは切断した動物では感染が阻止されることから、ウイルスが経シナプス的に感染を拡げることを確認してきた。 ウイルスが神経細胞の軸索若しくは髄鞘を介して感染することを明らかにするために、ラット左後肢坐骨神経を切断後、直ちに縫合し、手術後、0,10,20,30日後に同側膝皮下にウイルス接種した。 手術0日、10日後の接種では全例発症せず、脳からウイルスが回収されなかった。しかし、20日後、30日後の接種では発症し、脳からウイルス抗原若しくはウイルスが検出された。 これらの成績からHEVは再生した軸索を介して感染を拡げることを解明した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hirano, N., Tohyama, K., K, Taira, H.: "Swine coronavirus(HEV) as a transneural tracer for analysing polysynaptic pathways In the CNS of laboratory animals. p 41-42"In Animal Research and Welfare. A Partnership. Lab. Anim. Ltd. London(2001). 41-42 (2001)
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[Publications] Yamaguchi, R, et. al.: "Immunohistochemical study of age-dependant brain lesions in mice infected Intranasally with Kasba(Chuzan) virus"J. Comp. Pathol. 124(1). 36-45 (2001)
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[Publications] Hirano, N., et al.: "Susceptibility of rats of different ages to inoculation with swine hemagglutinating encephalomyelitis virus (a coronavirus) for rats"J. Comp. Pathol. 125(1). 8-14 (2001)
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[Publications] Hirano, N., Tohyama, K., K, Taira, H.: "Spread of hemagglutinating encephalomyelitis virus in the CNS of rats by intranasal route"Adv. Exp. Mcd. Biol. 494. 127-132 (2001)
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[Publications] Hirano, N., Ootani, N., Tohyama, K.: "Infection of hemaagglutinating encephalomyelitis virus (HEV) at the visual pathways of rats"Adv. Exp. Med. Biol. 494. 149-154 (2001)