2001 Fiscal Year Annual Research Report
PEG-コレステロールによりオカダ酸処理細胞に誘導される球状突起の検討
Project/Area Number |
13670007
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
馬場 健 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (90208710)
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Keywords | PEG-コレステロール / ダイナミン / エンドサイトーシス / アクチン細線維 / オカダ酸 / 脂質ラフト / K562細胞 |
Research Abstract |
近年注目されている細胞膜マイクロドメインの保持には、アクチンを主体とした細胞骨格系の関与が示唆されているが、直接的な証明は充分なされていない。本研究の目的は、アクチン細胞骨格系と膜微小領域の関連生を形態学的および生化学的に検討することである。本年度の研究で得られた成果は以下の通りである。 (1)PEG-コレステロールにより誘導される球状突起 K562細胞をオカダ酸で処理後PEG-コレステロールを加えると、温度および時間依存性に球状の細胞質突起が形成された。オカダ酸処理をしないとPEGコレステロールによる球状突起形成は見られなかった。免疫組織化学的検討により、球状突起にはアクチンのほかに、脂質ラフトのマーカー、GM1ガングリオシドやCD59が集積していることが明らかになった。また、球状突起には束状化したビメンチンとミトコンドリアが集合していた。しかし、代表的なエンドサイトーシスマーカー、トランスフェリン受容体やダイナミンの球状突起への集合は認められなかった。超微形態学的には、球状突起にはアクチン細線維と中間径フィラメントの集合が認められた。これらより過リン酸化状態の細胞では脂質ラフトとアクチン細胞骨格は密接な関係を持っていることが示唆された。 (2)球状突起の分離精製と生化学的検討 K562細胞をオカダ酸とビオチン化PEG-コレステロールで処理後、磁気ビーズ標識ストレプトアビジン(DynabeadsM-280)と30分反応させることで、球状突起形成が誘発できた。この球状突起を細胞をかるくピペッテイングすることで分離させ、磁気ビーズ回収用磁石(MPC-S)を用いた回収を試みた。しかしこの方法では球状突起に加え、細胞本体も回収されてしまい、明確な分離は困難であった。今後、効率のよい分離条件を検討する必要があると思われた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Lamaze C, Dujeancourt A, Baba T, Lo CG, Benmerah A, Dautry-Varsat A: "Interleukin 2 receptors and detergent-resistant membrane domains define a clathrin-independent endocytic pathway"Molecular Cell. 7. 661-671 (2001)
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[Publications] Ueda H, Ueda K, Baba T, Ohno S: "d- and g-Sarcoglycan localization in the sarcoplasmic reticulum of skeletal muscle"J Histochem Cytochem. 49. 529-538 (2001)
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[Publications] Serizawa Y, Ueda H, Baba T, Ueno A, Takeda M, Ohno S: "Intravesicular Fas localization in epithelial cells of castrated rat prostate glands"Histol Histopathol. 16. 453-462 (2001)
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[Publications] Baba T, Rauch C, Xue M, Terada N, Fujii Y, Ueda H, Takayama I, Ohno S, Farge E, Sato SB: "Clathrin-dependent and clathrin-independent endocytosis are differentially sensitive to insertion of poly(ethylene glycol)-derivatized cholesterol in the plasma membrane"Traffic. 2. 501-512 (2001)
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[Publications] Damke H, Binns DD, Ueda H, Schmid SL, Baba T: "Dynamin GTPase domain mutants block endocytic vesicle formation at morphologically distinct stages"Mol Biol Cell. 12. 2578-2589 (2001)