2002 Fiscal Year Annual Research Report
PEG-コレステロールによりオカダ酸処理細胞に誘導される球状突起の検討
Project/Area Number |
13670007
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Research Institution | University of Yamanashi, Faculty of Medicine |
Principal Investigator |
馬場 健 山梨大学, 医学部, 助教授 (90208710)
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Keywords | PEG-コレストロール / オカダ酸 / アクチン細線維 / 脂質ラフト / K562細胞 / エンドサイトーシス |
Research Abstract |
均一なリン脂質の二重膜からなると考えられていた細胞膜は、最近では多様な脂質成分からなるモザイク状の集合体であることが解ってきた。特にコレステロールとスフィンゴ脂質に富んだ膜微小領域は脂質ラフトと呼ばれ、種々のシグナル伝達分子が集合・離散する一時的な集積場として注目を集めている。 本研究では細胞表面の脂質ラフトと細胞内要素をリンクする構造について、オカダ酸とPEG-コレステロール処理により誘発される細胞質球状突起を手がかりとして解析を行った。 その結果、K562細胞に球状突起を誘発すると、細胞表面では脂質ラフトのマーカーであるコレラトキシンやCD59が集合し、細胞内ではアクチン細線維とともに、束状化した中間径フィラメント、・ミトコンドリア、およびエンドゾーム由来と思われる小胞の集合が認められた。また、特異抗体により細胞表面のCD59分子をクロスリンクすると、PEGコレステロール処理なしでも球状突起が誘発された。また、オカダ酸処理細胞を機械的に変形させることでも、球状突起が形成された。これらの球状突起の形成はアクチンの自由なG-F変換を阻害するラトランキュリンBやジャスプラキノリドで阻害され、fyn-ノックアウトマウスより得られたT細胞では球状突起形成が起こらなかったことより、オカダ酸・PEG-コレステロール処理による脂質ラフトの凝集が、アクチン細線維を介して細胞内にシグナルを伝達していると考えられた。これらの結果より、脂質ラフトは細胞内の細胞骨格系と密接な関係を持っていることが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Baba T, Udaka K, Terada N, Ueda H, Fujii Y, Ohno S, Sato SB.: "Actin-rich spherical extrusion induced in okadaic acid-treated K562 cells by crosslink of membrane microdomains"J Histochem Cytochem. 51(2). 245-252 (2003)
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[Publications] Makino A, Baba T, Fujimoto K, Iwamoto K, Yano Y, Terada N, Ohno S, Sato SB, Ohta A, Umeda M, Matsuzaki K, Kobayashi T: "Cinnamycin (Ro 09-0198) promotes cell binding and toxicity by inducing transbilayer lipid movement"J Biol Chem. 278(5). 3204-3209 (2003)
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[Publications] Ohno S, Kato Y, Xiang T, Terada N, Takayama I, Fujii Y, Baba T: "Ultrastructural study of mouse renal glomeruli under various hemodynamic conditions by an "in vivo cryotechnique""Ital J Anat Embryol. 106(2 Suppl 1). 431-438 (2002)
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[Publications] Ohno S, Baba T, Terada N, Fujii Y: "Determination of three-dimensional distribution of apoptotic DNA damage by combination of TUNEL and quick-freezing and deep-etching techniques"Methods Mol Biol. 203. 55-68 (2002)