2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13670017
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
岡田 暉彦 高知医科大学, 医学部, 助教授 (00025628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 俊博 高知医科大学, 医学部, 助手 (40153621)
瀬口 春道 高知医科大学, 医学部, 教授 (90030866)
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Keywords | 内リンパ嚢 / メラニン細胞 / メラニン顆粒 / マクロファージ |
Research Abstract |
従来、内リンパ嚢の内リンパ代謝動態を明らかにする目的で内リンパ嚢内に注入したトレーサーの動態を白色モルモットを使用して検討してきた。 これらの結果は、現在Hearing Researchに投稿中である。 今年度は内リンパ嚢上皮細胞のイオン、水輸送に働くトランスポーターの局在と種類を明らかにするために、抗体法を適用できるラットの内リンパ嚢の構造を明らかにした。ラットの内リンパ嚢上皮はモルモット内リンパ嚢に比較して構成細胞の種類は少ない。さらにエンドサイトーシスと食作用の活性は高くない様子を呈し、イオン輸送に適した形態をしている。特に有色ラットではこのことが顕著で、多量の小管が網状に細胞質に充満している細胞や長い突起状の足を周辺結合組織に伸ばす特異な形態を呈する細胞が多数存在する。さらに、上皮内にはメラニン顆粒の充満したメラニン細胞が多数存在する。白色ラットでもメラニン顆粒は少ないがメラニン細胞は多数見られた。白色モルモットでは内リンパ嚢腔内には多くのマクロファージが見られることが報告されている。しかし、今回我々が使用した有色モルモット、有色ラット、白色ラットでは内リンパ嚢腔内にマクロファージなどの遊離細胞は見られず、エオシン好性の均質無構造な物質が見られたのみである。これらの結果は、内リンパ嚢の構造と機能にメラニン細胞、メラニン顆粒が重要な働きをしていることを示している。 これらの結果は現在投稿準備中である。
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