2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13670017
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Research Institution | KOCHI MEDICAL SCHOOL |
Principal Investigator |
岡田 暉彦 高知大学, 医学部, 助教授 (00025628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 俊博 高知大学, 医学部, 助手 (40153621)
瀬口 春道 高知大学, 医学部, 教授 (90030866)
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Keywords | 内リンパ嚢 / メラニン細胞 / メラニン顆粒 / マクロファージ |
Research Abstract |
1.内耳の内リンパ嚢(ES)における内リンパ代謝の動態をCF、HRP、MPOをトレーサーとして使用し、ES上皮細胞の取り込みによって検討した。モルモットのESに注入したHRPはリボソームに富む細胞にnon-coated vesicleによって活発に取り込まれる。CFはリボソームに富む細胞にcaoted vesicleによって中程度に取り込まれるが、ほとんど取り込みを示さない細胞が存在した。一方、MPOはごく少量が取り込まれたのみであった。これらの結果は、ES上皮細胞ではReceptor mediated endocytosisはあまり活発ではないが、Fluid-phase endocytosisは活発に行っていることを示している。しかし、MPOが取り込まれない理由は今後の検討を要する。 2.ラットのES細胞の上皮細胞の微細構造 上皮はMitochondria-rich cellとRibosomel rER-rich cell、Melanocyteより構成されている。 (1)Ribosome/rER-rich cellは主たる上皮構成細胞で、ESの全体に見られる。細胞内にはよく発達したrERとGolgi装置が見られ、胞体全体にメラニン顆粒が多数存在する。Lysosomeが少数存在する。 (2)Mitochondria-rich cellは上皮全体に少数見られる。胞全体に多数のミトコンドリアが分布し、少数のメラニン顆粒がミトコンドリア間に存在する。自由表面には豊富な長い絨毛を持つ。また細胞体の上部をES腔内に突出した特徴的な形態を示す。 (3)Melanocyteは上の2種類の細胞の基底部に位置し、長い突走を両細胞間に伸ばす。 (4)両細胞の基底部は著しい基底陥入を示し、イオン輸送が活発である様子が見える。 3.内リンパ嚢の発達 新生児から成熟ラットまでのESの20μmの連続切片を作製し、ESの三次元構造を検討した。幼若ラットのESは内腔の拡大した袋状であるが、成熟ラットのESでは近位部の内腔が中程度に拡大しているが、中間部から遠位部は扁平な嚢状である。このことはESの機能は幼若期には活発であるが、成熟するに従って活性が低下する可能性を示す。
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