2001 Fiscal Year Annual Research Report
肝門脈レプチンセンサーによって制御される食行動・エネルギー代謝調節
Project/Area Number |
13670067
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
吉松 博信 大分医科大学, 医学部, 助教授 (00166993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 利家 大分医科大学, 医学部, 教授 (50037420)
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Keywords | レプチン / 肝門脈 / 食行動 / エネルギー代謝 / 神経ヒスタミン / 褐色脂肪組織 / 交感神経 / 視床下部 |
Research Abstract |
肝門脈レプチンセンサーの食行動およびエネルギー代謝調節における意義を明らかにするため本年度はレプチン門脈内投与による、食行動変化、視床下部における神経ヒスタミン動態、褐色脂肪組織(brown adipose tissue : BAT)交感神経活動変化を解析し、また遠心性の経路を確かめるためにヒスタミン脳内投与に対する脳内c-fos発現部位、BAT交感神経活動変化を調べた。1.肝門脈内レプチン投与による食行動変化:肝門脈へ慢性的に留置したカテーテルを介して、レプチン100μg/ratを末梢性に投与し、食行動への影響を調べた。1回急性投与による反応では投与後24時間摂食量の減少が認められた。より少量のレプチンの門脈内投与の効果を現在解析中である 2.神経ヒスタミン動態:レプチン投与による神経ヒスタミン反応をHPLC法で解析した。レプチン門脈内投与後、ヒスタミンの主要代謝産物であるtele-methylhistamineの視床下部内濃度が増加した。レプチン投与によって神経ヒスタミンの代謝回転が亢進することが示唆された。視床下部各中枢の部位別の反応をみるためRIA法による検討も行っている。3.神経情報伝達経路の同定:脳内での神経ネットワークを明らかにするため、ヒスタミンを脳室内に投与し、c-fos発現部位を検討した結果、視床下部ではPVN、ARCに発現亢進が認められ、視床下部外では扁桃体、海馬などでc-fosの発現が亢進していた。4.BAT交感神経活動変化:レプチン門脈内投与によってBATへ分枝する交感神経の活動が増加した。ヒスタミンの脳室内投与によってもBAT交感神経の活動増加反応が観察された。以上の実験結果より肝門脈のレプチンセンサーは食行動調節、エネルギー代謝調節に重要な役割を果たしており、その調節メカニズムに視床下部神経ヒスタミンの関与があることが判明した。引き続き本調節系の特異性、機能的意義を明らかにするため研究を継続中である。
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[Publications] Yoshimatsu H.: "Histidine induces lipolysis through sympathetic nerve in white adipose tissue"Eur.J.Clin.Invest.. (in press). (2002)
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[Publications] Hidaka S.: "Chronic central leptin infusion restores hyperglycemia independently of food intake and insulin level in streptozotocin-induced diabetic rats"FASEB J.. (in press). (2002)
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[Publications] Tsuda K.: "Hypothalamic histamine neurons activate lipolysis in rat adipose tissue"Exp.Biol.Med.. (in press). (2002)
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[Publications] Yoshimatsu H.: "Histidine suppresses food intake through its conversion into neuronal histamine"Exp.Biol.Med.. 21. 63-68 (2002)
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[Publications] Masaki T.: "Targeted disruption of histamine H_1-receptor attenuates regulatory effects of leptin on feeding, adiposity, and UCP family in mice"Diabetes.. 50. 385-391 (2001)
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[Publications] Masaki T.: "Central infusion of histamine reduces fat accumulation and upregulates UCP family in leptin-resistant obese mice"Diabetes.. 50. 376-384 (2001)