2001 Fiscal Year Annual Research Report
神経内分泌腫瘍におけるクロマチン再構成複合体因子(hSWI1)変異の解明
Project/Area Number |
13670177
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
竹内 保 高知医科大学, 医学部, 助手 (50226990)
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Keywords | 神経芽細胞腫 / クロマチン再構成因子 / ヒトSWI1 / 乳癌 / 滑膜肉腫 |
Research Abstract |
神経芽細胞腫24例、褐色細胞腫21例、他の神経内分泌腫瘍7例の染色体DNAを用いてhSWI1の変異の検出を行っている。その結果、神経芽細胞腫の約15%に変異が見い出された。変異例ではステージの進んだ症例が多く、神経芽細胞腫の進展にhSWI1の変異が関与している可能性が示唆された。褐色細胞腫では変異は未だ発見されていないが、一部の症例でhSWI1の発現量が低下していることが明らかになった。さらに神経内分泌腫瘍でも数例で発現量が低下していることが見い出された。他の現在、その発現の低下のメカニズムを詳細に検討中である。またhSWI1がヒト腫瘍にどう関わっているかを検討した(共同研究)。その結果、ヒト肉腫の一種である滑膜肉腫でSYT/SSX融合遺伝子がクロマチン再構成因子複合体と結合することを明らかにした。従来よりSYT/SSX遺伝子は滑膜肉腫に特異的に発現する融合遺伝子として診断にも用いられていたが、その発癌メカニズムは不明であった。当該研究によりSYT/SSXはhSWI1を含むクロマチン再構成因子複合体の機能を抑制し発癌作用をあらわすことが示唆された。従ってhSWI1が癌抑制因子として作用するといえる。この結果をふまえて、神経芽細胞腫でみつかったhSWI1を培養細胞に導入し誘発される遺伝子の同定をおこない、新規cDNAのcloningに成功した。この遺伝子は神経内分泌腫瘍のみならず乳癌の進展に関与している可能性があり詳細に検討している。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Takeuchi, T et al.: "Recent progress in T-cadlevin research (Review)"Histol Histopathology. 16. 1287-1293 (2001)
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[Publications] Liang et al.: "Reduced human mismatch repair protein in the development of precancerous skin lesion"Virchow Arch. 439. 622-627 (2001)
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[Publications] Zhou et al.: "Expression of T-cadherin in human keratinocytes"J.Invest Dermat. (In press).
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[Publications] Kato, H. et al.: "SYT associates with human SNF/SWI complexes"J.Biol.Chem.. 277. 5498-5505 (2002)
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[Publications] Takeuchi, T. et al.: "Loss of T-cadherin expression in autareous squamous cell carainoma"Lab.Invest.. (Submitted).
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[Publications] Taniuchi, K. et al.: "Developmental Expression of CA-RPVIII, x and x1 in the human brain"Neuroscience. (in press).
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[Publications] 竹内 保(共同執筆): "医学書院 医学大辞典"医学書院(予定). (2003)