2003 Fiscal Year Annual Research Report
単純ヘルペスウイルスの神経軸索輸送の解析と治療用ベクターとしての可能性の検討
Project/Area Number |
13670291
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
小笠原 正洋 旭川医科大学, 医学部, 助手 (40185492)
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Keywords | US3 / US11 / UL15 / UL28 |
Research Abstract |
昨年度に作成した以下のリコンビナントウイルスを用いて実験した。 1.US3遺伝子欠損ウイルス 2.UL13遺伝子欠損ウイルス 3.GFP融合US11リコンビナントウイルス 4.US3遺伝子欠損/GFP融合US11リコンビナントウイルス 5.UL13遺伝子欠損/GFP融合US11リコンビナントウイルス GFP融合US11リコンビナントウイルスをHela細胞に感染させて、GFP-tagged US11の細胞内動態を観察した。MOI100で感染させると、テグメントから持ち込まれたGFP-tagged US11は感染後2hで細胞質内に拡がり、4h後あたりから核小体に集積し始める。また、MOI0.1で感染させ、US11遺伝子の発現を観察した。感染後6hから8hで細胞質に発現し出し、10hで核小体への集積が観察される。その後、次第に核小体での局在が減少し始め、核膜近傍への集積が始まる。感染後約20〜24hで感染細胞の周囲の細胞にもGFP-tagged US11の発現が観察され始める。約36hを過ぎた頃から感染細胞はラウンド傾向を示すようになり、細胞全体が蛍光を示し、特に核膜での局在が明らかとなった。昨年度のYield assayの結果、US3遺伝子欠損ウイルス感染細胞において、細胞外へのウイルスの放出が若干遅れる傾向にあったので、再度数回のYield assayを行った。残念ながら有意差が得られず、これらのリコンビナントウイルスのリバータントを作成、再検査中である。GFP-tagged US11を指標にcell to cellの拡がりをUS3遺伝子欠損とUL13遺伝子欠損の場合について観察中である。また、これらの遺伝子欠損についてUS11の燐酸化についても検討中である。ベクターを作る際にゲノムのカプシドへのパッケージングを制御可能にする為、その予備実験を行った。ゲノム単位切断酵素であるUL15とUL28の切断塩基配列の決定の研究も行った。
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Research Products
(1 results)